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「観光立国宣言シリーズ」

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「ハッピーマンデー」が
 心のゆとりを生む

        運輸大臣(当時)

藤井 孝男

 バブルがはじけて以後、景気の低迷が長く続いている。祝日三連休化等の法制化で、観光が景気を刺激することも考えられないか等、平和産業としての観光のあり方について、藤井運輸大臣(当時)と話し合う。−−平成9年12月対談

ふじい たかお

昭和56年岐阜地方区参議院議員初当選。平成5年第40回衆議院議員初当選。大蔵政務次官、参議院大蔵委員長。現在、自由民主党国会対策筆頭副委員長。運輸大臣就任は平成9年9月。

二階 本当にお忙しいところありがとうございます。私が会長をさせて頂いている全国旅行業協会の会報に、「主役登場」という欄がございます。今日は主役も主役、一番大きな主役にご登場頂くことになったわけです。まずは観光行政に対する藤井大臣の抱負をお聞かせ下さい。大臣はこれまでにもいろいろな所で活躍され、また海外での豊富な経験をお持ちですから、そうした点を含めて、観光業界に対しての激励の言葉を頂ければありがたいのですが。

藤井 今日はこうして二階先生と観光を中心とした対談ができることに、心から感謝申し上げます。先生は長い間観光振興について大変熱心にやってこられて、運輸省と致しましても敬意を表する次第で、本当にありがとうございました。

二階 いえいえ。

草の根の広がりこそ
観光の心意気

藤井 今のお話にございました観光に対する考え方についてですが、基本的には、「観光を振興するということは大変裾野が広い」ということですね。よく地域振興とか地域の活性化とか言いますけれども、むしろ今観光を振興することによって地域が活性化するのではないかと思います。それから「国際交流」ですね。貿易等々では国際競争化の時代ですけれども、ビジネスの世界でも、政治的な外交交渉でも、やはり人と人との触れあいが大切ですから。特に日本人は戦後豊かになって外国へドンドン行きますね。今時の若い人達、私の娘や息子達も、国内旅行に行くような気軽な気持ちで海外に行く、そういう時代になりました。

二階 そうですね。ホテルの予約なんか取らないで平気で行っちゃう。しかし、旅行業界としては困るんですがね(笑)。

藤井 そうなんですよ。そういう気軽な雰囲気で交流を深めていく。日本人も世界を知る、また海外からのお客様にも日本を知って頂く。これは国にとって大変大事なことだと思っております。いまひとつは「ゆとり」。物は豊かになったけれども心にゆとりがないとよく言われます。そういう中で海外へ行き、また、来て頂く。交流が進むということは、ゆとりある生活に繋がると思うんですよ。

二階 ちょうど祝日三連休化の問題も、大臣のご指導で、旅行観光業界挙げて署名運動を展開しています。もう六五〇万人を超えたというんですがね。このままいけば一〇〇〇万人までいくだろうと言って頑張っておられますけれど。それだけ関心も深いということですね。

藤井 二階先生が前々から推進されている祝日三連休化、いわゆるハッピーマンデー…。

二階 祝日を月曜日に持ってきて三連休にしようとするわけですね。

藤井 先の臨時国会でも、新進党や民主党、太陽党の方で議員立法で出されていましたけれども、与党三党のほうでも推進委員会、プロジェクトチームをつくりまして、これを積極的に進めていこう、また業界からもヒアリングをしていこうというような流れになっています。

二階 いい流れになってきました。通常国会で各党が一致して実現する方向で進めたいと思っています。

藤井 運輸省としても、ぜひこれが早期に実現するよう期待をして、積極的に支援をしていきたいと思っています。

二階 大変力強いことで、ありがとうございます。大臣のリーダーシップで与党三党の皆さんも熱心に取り組まれてますし、与野党で対立するような法案ではありませんので、よくご相談して、やらせて頂きたいと思っております。

藤井 ぜひよろしくお願いします。

二階 私は今たまたま新進党の観光振興議員連盟をお預りしているんですが、党内の議員一人ひとりの理解を得ることが大事だろうと思い、この間衆参の皆さんに署名をお願いしましたら、新進党の議員の八割が皆賛成の署名をしてくれました。これから自民党の観光議連の原田昇左右会長代行ともよく連携をとりながら取り組んでいきたいと思っております。

藤井 よろしくお願いします。

二階 ところで、今度の地域伝統芸能の全国大会が、巡り巡って平成十年、大臣のご地元の岐阜の高山で…。

藤井 ええ、五月に開催します。

二階 瀬島龍三先生が大変熱心にやっておられますが、たまたま大臣の地元で今年聞かせて頂くということで、関係者皆張り切っておるんですよ。大臣もぜひ高山の大会を大成功させるように、ご指導頂きたいと思います。

藤井 数多い全国の地域伝統芸能を一堂に会してフェスティバルを行なうということは素晴らしいことだと思います。日本の伝統文化というのは、これからも守っていかなければいけないし、育てていかなければいけない。平成十年は高山市で開催しますけれども、確か十一年は和歌山県…。

二階 ええ、十年は大臣のご地元。十一年は、私の地元の南紀熊野を舞台にして南紀熊野体験博のメイン行事としてやらせて頂きます。これはしかし、全く偶然のことで…。

藤井 先生の地元でしたね。ぜひとも成功させないと(笑)。

二階 高山は日本有数の観光地ですから、我々はまず、高山の全国大会をしっかり勉強させて頂きたい。高山地方も私の南紀もいずれも過疎の地域ですが、ここには日本古来の文化が息づいている。これを世の中に知ってもらって、観光文化の大切な資源として守り育てていく。このフェスティバルを全旅協としても、五七〇〇社が一丸となってしっかり支援していくつもりです。

藤井 心強くありがたいことです。幸いにも岐阜県知事、それから高山市長さん、それに下呂町長さんとか、関係する自治体の長の皆さん方、その地域の皆きん方、たいへんこのイベントに熱心で、大きく期待しています。

二階 岐阜県の梶原知事は大変熱心ですよね。花のフェスティバルの時なども、先頭に立って頑張っておられました。TAP (観光立県推進会議)でも岐阜県へ伺って大変お世話になりました。

藤井 あの花のフェスティバルも大成功を収めました。ですから、そういう意味では本当になんとか成功して、翌年の和歌山県へいい形でバトンタッチを…。

二階 そう、繋いでいく。

藤井 しっかり繋いでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

二階 西口知事にもよく伝えますよ(笑)。責任は重大ですねえ(笑)。

藤井 重大ですよ(笑)。

二階 先ほど大臣から経済問題に関しての観光ということに対して力強いお詰もございましたが、ご承知のとおり、国際的には十人に一人が観光関連産業に従事していると言われています。日本では、十五人に一人ぐらいと言われており、前に経済企画庁でお調べ頂いたら、観光産業の経済波及効果は二四兆五〇〇〇億円とか。今はもう少し伸びていると思うんですが。観光産業はそれだけ裾野が広いということですね。また、観光というのは平和の時代、平和産業といいますか…。

藤井 そのとおりですね。

二階 平和でなければ成り立たない産業だということと、同時に経済事情に影響を受けるというか、景気そのものが観光にドーンと影響を及ぼしてくる。逆に言えば景気のいいときは観光も栄えるわけですが、このような景気の低迷が続く時代には、観光産業に対して、特に運輸省でもいろいろな意味でこれからご配慮頂きたいと思っているんですが。

藤井 はい。

二階 ぜひ、これはもうJATA(日本旅行業協会)もANTA(全国旅行業協会)もなく、オール観光産業全体がこのことに対して、今、大変戦戦恐々としている時代だと思いますので、よろしくお願いします。

景気低迷期にこそ、元気を出して
観光需要の掘り起こしを

藤井 今、先生がおっしゃられたとおりでしてね。裾野の広いという話を先ほど申し上げましたけれども、その意味でも、運輸行政の中の観光振興というのは、私はこれからもっともっと力を入れていかなくてはいけない行政分野のひとつだと思っております。と申しますのは、ウェルカムプラン21というのをやっておりますが、それはひとえに、海外から一人でも多くの観光客の方に来て頂きたいということです。そのためにも、まずは国民の方に、国内を点でなく面で旅行して欲しい。そういうことで今それぞれの地域で、ウェルカムプラン21に則った形で、誰にも来てもらいやすい受入れ体制を、ソフト面、ハード面共にぜひ推し進めていかなければいけないと思っています。景気が非常に低迷していますけれども、そういうときこそ、逆にむしろ、観光需要を掘り起こしていくチャンスではないでしょうか。

二階、ええ、そうですね。逆に観光産業が元気を出して、景気を引っ張るくらいの気概を持って立ち上がろうと全員に呼びかけています。

藤井 景気が悪いからお客さんが来ないんだって諦めていたんではちっとも進みませんし、そういう中で苦しいときかも知れませんけれども、それぞれの地域の人達が本当に頑張れば、むしろ観光産業はこれから発展していくと思っています。

二階 まさしくそのとおりで、私も全国旅行業協会のいろいろな支部へまいりましたときには、景気が悪い悪いという太鼓をたたいていたのでは、観光客の財布はますます締まっていく。我々のほうは、観光によって景気回復を考えていくくらいの気持ちを持っていこう、と激励しています。

藤井 そのとおりだと思います。

二階 ですから、北陸でタンカーの重油事故があったとなれば、北陸に客を送る運動をしようと。その前に、神戸で大地震が起きたときには、率先して、私どもの団体の会議は神戸で開こう、というふうなことを今までもやって来たんです。これはもう他の協会も含め、観光関係団体挙げて、皆が動くというか、じっと閉じこもっていたりしないで、活発に活動するような雰囲気をつくっていかなければいけないですね。

藤井 そうですね。今、大事なことをおっしゃられたんですけども、ナホトカ号の重油流出事故で北陸の沿岸、石川県と福井県は大変な被害を受けました。ただ、あまりにもそのことがマスメディアにオーバーに伝わった部分がありまして、観光客が北陸の魚介類はみんなもう駄目だというふうになって、観光客が、がたっと減ってしまった。それで私は、確か九七年の通常国会の予算委員会で与党のトップバッターとして質問しましたときに、「確かに被害はあります。しかし、北陸の観光地の全部が被害を受けているわけではなくて、魚介類だって安心して食べられますよ」と申し上げたんです。「あまりオーバーに言うと、そういうことの影響もある」と申しましたら、しばらくたってから、北陸のある有名な温泉地の大きな旅館の社長さんから手紙を頂きまして、たいへんありがとうございましたと。あれを言って頂いて本当に助かりました、というお礼の手紙を頂きました。

二階 その当時予算委月会の理事として…。

藤井 二階先生と一緒に理事でしたね(笑)。

二階 私もそばで伺っていて、我が意を得たりと思って拍手を贈った一人です。ああいうときにやっぱり、国を挙げて応援することが必要ですね。また、観光ではいろんなところの影響が大きいと思ったのは、例えば神戸の震災のあと、私がたまたま山形の温泉地の大会へ行っておりましたら、スキー客が全然来ないと言うんです。どうしてですかと聞きますと、阪神・神戸のあの辺の人達は皆、修学旅行はスキーに来ていたんだと。それが来なくなったので打撃を受けていますということでした。

藤井 そういうこともあるのですね。

二階 どこに問題が波及していくかですけど。逆の意味でこれから観光に対して元気をつけていくために、私は前々から観光大学を創ろうとか、あるいは観光の図書館を創ろうとか言っているんです。図書館も動く観光図書館はどうだということで、バスを改造してやろうと、今準備を始めています。まとまりましたら大臣にご協力をお願い申し上げます。

藤井 これは貴重な提言ですね。バスも運輸行政の一環ですから、バス協会との連携も取らなければいけませんし、またどういったニーズがありますか…。

二階 ですから、関係団体の人達に参加してもらい、委月会を作って、そこで勉強する。最初は一台でも二台でもいいんです。見本ができれば、あとは全国に波及していきますしね。それから、後継者の育成、人材の育成、これがやっぱりいずこの産業もそうですけど、特にこの観光業界においては重要です。アジア諸国に対しても、日本に行って学ぼうという人達もいっぱいいるわけですから、それに応えていけるような環境をつくっていかなくてはいけない。運輸省で真剣にご調査を頂いておりますことをうれしく思っております。

藤井 アメリカでは、観光に対するカリキュラムが大学などの中で非常に発達しています。日本でも最近そういうカリキュラムを持った大学が出てまいりましたけれども、もっともっと充実していきたい。それには観光大学という形で進めていかなければならないと思っています。やはり人材育成は大事ですから。ただ日本の場合はホテルやペンション等の宿泊施設の他に、旅館という日本独特の伝統の宿泊施設がありまして…。

二階 はい。そうですね。

藤井 人材育成といっても旅館業とホテル業ではニーズが違うでしょう。観光大学を設置するに改しましても、何を欲しているのか、どういうことをやっていったらいいのかをしっかり捉えていきませんとね。人材を育てる側と受け入れる側のミスマッチがないようにしていかなければならないと思っております。

二階 日本の旅館、日本庭園というのは日本の文化ですからね。外国のお客様は使い慣れたホテルも喜びますが、日本へ来ると日本式、和式の建築物に対しても大変興味を持たれます。ぜひこんな面も育成していけるように、将来は税制の面においても、これを保護育成していけるようなことも考えていきたいと思っています。

藤井 観光につきましては、日本から海外へ行かれる万が一六七〇万人くらいいらっしゃる。外国から日本に来られる方がまだ四〇〇万人に満たないという、このインバランスをなんとか…。

二階 そうですね。外国人観光客の受入数が日本は世界で三二番目ですからね。

藤井 特に外国の方は団体ではなくて、個人的な趣向で来られる方が多いわけですから、そういった場合の受入れやすさ、分かりやすさと言いますかね、来る方がどこに行ったらいいのか、どうしたらいいのか戸惑わずにすむように、受入れ体制を整えていく必要があると思います。そういう意味ではこれからも旅行業協会の皆様方のお知恵、特に、二階先生の豊富な経験と識見をぜひ活用させて頂きたいと思いますので、よろしくお願い致します。

二階 以前、ワシントンで開かれた第一回日米観光協議というのに参加させてもらったことがありますが、運輸省以外の政府代表は皆貿易摩擦の関係でずいぶん厳しい局面に立たされることが多いわけですが、観光だけは大威張りで行けるんですよ(笑)。しかし、私は、大威張りで行けるということを喜んでいる時代は終わって、このインバランスの解消に向けて、もっとウェルカムプラン21を推し進め、外国人旅行客を日本に引き入れ、呼び込んでくることの方が、日本の国際化に大いに役立つのではないかと思いますね。出ていって勉強してくるのは大概の人がもう経験済みですからね。

外国人旅行者誘致に、
インターネットも活用した広報宣伝を

藤井 外国人旅行者にはどうしても日本は割高というイメージがありますからね。「非常に安く泊まれます、外国人を受入れるところもたくさんあります」といった広報宣伝も必要でしょう。そういう意味では先生が先ほどおっしゃった、動く観光図書館なども役立ちますね。また、こんな時代ですから、海外の人達が日本に来たいと思ったときに、日本のホームページに簡単にアクセスできるようにするなど、インターネットも大いに活用したいと思っています。

二階 観光バスの業界でも、将来バスガイドが少なくなってきたら、衛星から案内ができるようなシステムを研究しているようです。それから推測しますと、海外のお客さんに対するサービス方法は研究すればいくらでもあると思うんです。例えば、英語教師ですでにリタイアされた悠々自適の方々に、もう一遍ボランティアガイドとして参加してもらうとかね。

藤井 今四万三〇〇〇人くらい、ボランティア的にやって頂く通訳の方がいらっしゃいます。それもどんどん増やしていかなければいけない。その場合、先ほど先生がおっしゃられたハッピーマンデーはボランティア活動に参加する機会を与えることにもなりますね。もちろん、ゆとりということもありますけれども。

二階 三日休みがあったら一日はボランティア活動に使うとか。

藤井 そういう面でも、祝日三連休化を実現したいと思います。

二階 ありがとうごさいます。二、三日前ですが、評論家の小林吉弥さんがお見えになりまして、田中角栄先生の本を改めて出したので一冊差し上げると言われて、ここのページを読めと指摘されたんです。大臣とご一緒に田中角栄先生のお誘いを受けてゴルフに行きましたあの場面です。

藤井 軽井沢でしたね(笑)。

二階 あの時は参議院側と衆議院側に別れてのゲームで、「もう勝負あった、衆議院は負けた」と言ったら、田中先生が「勝負はあとハーフやってみなきゃ分からんじゃないか」と真剣に言われた。ああこの先生は最後まで勝負を捨てない人だなってことを、ゴルフ場のああいう遊びの場での会話でも思ったんです。それを私どこかで小林書弥さんにしゃべったら、それが今度本の中に紹介されましてね。いやいやこのお相手はまさしく現運輸大臣の藤井先生であり、もう一人は額賀官房副長官だと(笑)。そんな話をしたとこなんです。

藤井 本当に二階先生とも長いお付き合いですし、今、党派は分かれてますけど、本来、観光といった問題はイデオロギーではないですしね。′観光が非常に盛んになる、そして外国からもお客さんが多く訪れてくれるっていうのは、まさに先生がおっしゃったとおり、平和の象徴なんですね。この間ルクソールで起きた観光客襲撃というような残念な事件がありますとね…。

二階 ぴたっと止まっちゃう。

藤井 ええ。かといってやはり競争の時代ですから、のほほーんとしていてもお客さんが来てくれるということではありませんので、そういう意味では、私ども行政の責任者として、いろんな民間の皆さん方、あるいは地域の皆さん方、自治体、協会・業界の皆さん方とディスカッションをして、どうやったらいい方向にいくのかということを常に考えていかないといけません。観光はイデオロギーを超えた問題ですから、今後ともいろいろとご指導頂ければと思っております。

二階 いやいや、我々も運輸省の観光部にはいつも大変熱心なご指導を頂いております。それと、昨年末に旅行業登録の有効期間を三年から五年に延長して頂きまして、会月もとても喜んでおります。長年の要望でしたからね。

藤井 それは良かったですね。今後も消費者の方に信頼される旅行業者として全旅協の皆さんも頑張ってほしいですね。

二階 そのとおりです。観光スポットなんかも観光業者が自ら勉強して先取りしていかなければいけないですね。東京湾のアクアライン…。

藤井 ええ、アクアラインですね。平成九年末の開業で、海ほたる等大変な人気なんですね。

二階 開通前に道路公団の鈴木総裁の案内で行って来ましたが、「海を走る道」素晴らしいですね。明石海峡大橋も見てきましたが、これはいずれも観光客が来るなという感じがするんですね。日本人は利口ですから、そこからまた何か新しいことを学ぶわけです。気持ちを大きく持って、自分の仕事にそのことを活かしていくということになりますから、観光に費やしたバス代だの弁当代だのというのは安いもんだということになるんです。観光の大きな目的の中に「学ぶ」ということがあると思うのですが、そういう意味で、業界そのものがもっと真剣に学んで、それをお得意先にお伝えしていくということが大事だと思っております。今度この会報の表紙もアクアラインの写真を拝借して掲載することにしました。

藤井 そうですね、あのアクアラインもそうですし、明石海峡大橋もそうですし。私の所は先日、飛騨と信州を結ぶ安房峠のトンネルが開通しました。
二階 観光道路として魅力がありますね。

藤井 長さはたかだか四・四キロメートルぐらいしかないんですけども。しかし、約六か月間くらい、冬から春まで閉鎖されていたのが、このトンネルによって通年通行可能になったんです。これによって大きく物の流れ、人の流れが変わります。長野県と岐阜県ばかりでなく、岐阜県から見ますと、関東から北陸までを視野に入れて、いろいろなことができるようになるんです。北陸の金沢から安房トンネルまで車で二時間なんですよ。そのトンネルを通って信州へ出られるとなると、流れは大きく変わってきます。長野県と岐阜県の、観光地の競争も始まりますしね。

二階 そうなんです。競い合うこと、頭を使うこと、よく努力すること、何でもそうですが、特に観光業には大切ですね。

藤井 地域間の競争は刺激になっていいんですよ。

二階 いつも固い印象を与える建設省の国道の番号だけの名前だけじゃなくて、ロマンチック街道というような、一般に親しまれる愛称、ニックネームが必要で、全国的にこれをやろうと瓦建設大臣(当時)に申し入れてあるんですよ。

藤井 それはいいですね。岐阜県知事もネーミングがまたうまいんですよ。せせらぎ街道とか花街道とかね(笑)。

二階 ちょっと行ってみようかとなるんですね。静岡県の石川知事がおっしゃってましたが、西伊豆でしたか、恋人岬と名づけたら、若い恋人たちが大勢来るようになったそうですよ。
 本日は大変お忙しいところをありがとうございました。

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