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 一方、二階は観光についての長年の造詣に基づき、また、全国約六〇〇〇の旅行業者の団体である(社)全国旅行業協会会長としての経験から、観光に関する施策を矢継ぎ早に打ち出した。
 昨年十月に開催された閣議後の閣僚懇談会の席上で牧野労働大臣が「日産自動車(株)における工場閉鎖による二万人失業等の雇用不安が生じている。事業所管省庁においても雇用創出に努めてもらいたい」と要請した。これに対して、二階は「運輸省で、雇用創出に協力しよう。そのためには、パート雇用の比率が高い観光産業で二万人の雇用創出を考えよう」と応じ、生み出されたのが臨時国会で成立した十一年度第二次補正予算の観光関係事業である。即ち、海外観光宣伝キャンペーンを実施し訪日外国人観光客の増加を図ると共に、観光産業のサービス向上と二万人雇用創出を目指した研修事業、観光職業情報提供事業等を含む補正予算約一五億円を盛り込んだのであった。
 また、平成十二年度政府予算原案では、国際観光交流を拡大するための予算を中心に観光関係に約三三億円と大幅に拡充した予算を編成した。特に訪日観光促進キャンペーン経費については補正予算を除く当初予算では史上初めての約三億円の予算を計上したほか、観光関係の情報の充実を図るため、次世代観光情報基盤整備事業の拡充のためにも約三億円の予算を計上し、観光振興に関する並々ならぬ姿勢を示した。
 高度情報化関係では予算措置以外でも、十一月三十日に観光情報を電子地図を通じてカーナビなどに情報発信する民間企業等の協議会「観光GIS利用促進協議会」を設立し、マルチメディア技術やインターネット技術を先取りした施策を示している。
 国内観光の振興では、十一月十八日から十九日まで第二回広域連携観光振興会議(WAC21)を石川県、富山県、福井県の北陸三県で開催し、今後の観光振興のため三県が協力して観光振興を目指すことになった。また、本年から実施されている祝日三連休の拡大にも意欲を燃やしている。
 二階が運輸政務次官当時に創設した観光事業振興助成交付金制度が平成十一年に廃止されることになっていた。この交付金は八年間で総額約二〇〇億円に及び、わが国の観光振興の重要な財源となっていた。二階は、平成十二年度以降の観光振興事業に支障を生じないよう自ら自治省、全国の知事等に働きかけを行ない、観光振興のための地方交付税措置が講じられることとなった。
 また、国内需要が二〇兆円に及び、その経済効果も五〇兆円に及ぶ産業である観光産業は、二十一世紀の基幹産業になりうる産業であるにもかかわらず、社会的重要性が認知されていないとの認識を持つ二階運輸相の指示の下、十二月六日観光産業関係者などが総結集した観光版経団連とも言える「観光産業振興フォーラム」(代表幹事 堤義明(財)国際観光開発研究センター会長)が設立された。そして、設立総会において観光産業の重要性、魅力ある観光交流空間の整備、休暇制度の充実、国際相互理解の促進、観光振興のための財源の確保等に関して緊急アピールを取りまとめると共に、これらの広範な課題について観光産業が一体となって取り組んでいくこととなった。
 北海道開発庁長官も兼ねている二階は、北海道の基幹産業である観光の振興にも並々ならぬ取り組みを見せている。十一月二十八日札幌において北海道内外の観光産業関係者や有識者等が一同に会して「北海道の観光を考える百人委員会」(会長 松田昌士JR東日本社長)を発足させ、現在年間六〇〇万人の観光客を今後一〇年間で一〇〇〇万人とすることを目指すよう各種取り組みを行なっていくことにしている。
 この「観光を考える百人委員会」は、二階の提案により北海道の他、これまで北東北(一月二十二日)、沖縄(二月六日)四国(二月十九日)、中部(三月四日)、関西(三月二十六日)、九州(四月二十三日)で開催され、真剣な議論が行なわれたほか、観光振興のための各種提言等がなされている。今後も中国等で開催されることが計画されており、全国的に観光で地域を生き生きとさせたいという動きが生じてきている。
 国際観光の分野では、前述の日中関係ばかりでなく、日韓関係でも意欲を示している。十二月二十三日及び二十四日に韓国済州島で開催された第二回日韓閣僚懇談会では小渕総理と共に出席した。二階は、全体会議に出席すると共に、文化観光部長官と個別会談を行ない「平和産業である観光の発展のために、日韓両国で未来志向で取り組もう」との提案を行ない、二〇〇一年のWTO(世界観光機関)総会の日韓共同開催、二〇〇二年のサッカー・ワールドカップの日韓共同開催を契機として、日韓両国が協力して世界に向けて両国の歴史遺産、文化遺産等の素晴らしい観光資源についてアピールする等観光振興を進めていくことで合意した。
 さらに、三月二十五日には仙台で文化観光部長官と二度目の日韓閣僚会談を行ない、両国の交流促進のため、成田、関空、名古屋空港等での韓国との航空便の増便などで合意した。
 続けて二階は朴長官を連れて大阪へ飛んだ。
 太田房江大坂府知事や貝原俊民兵庫県知事をはじめ有力な財界人、観光関係事業者、学識経験者などが参集した「関西観光振興フォーラム」で朴長官に記念講演をお願いし、長官は、観光産業が二十一世紀の産業として如何に重要であるか、関西地方と韓国との観光交流とその将来性を強調した。
 また二階は、常日頃から日本人の海外旅行者数が約一六〇〇万人であるのに比べ訪日外国人観光客が約四四四万人と四分の一しかなく、また、外国人旅行者受入数が世界でも第三二番目という低水準に留まっている状況を改善する必要があると主張している。この事態を改善するため、在外公館の大使等が率先垂範して、訪日外国人観光客の来訪促進のための活動に取り組むよう二階は河野外務大臣に働きかけ、河野外務大臣も全ての在外公館に対し訓令を発して、協力を約束した。今後、運輸省と外務省が協力連携して外国人観光客の誘致のための施策を講じることとなった。
 また、日米をはじめとする関係諸国、世界気象機関などの関係機関との国際協力の下、全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握するシステムを構築することにより、二〇〇四年までに長期予報の精度を飛躍的に向上させることなどを目標とした、いわゆるARGO計画を積極的に推進している。
 その結果、ARGO計画が政府のいわゆるミレニアムプロジェクトとして位置づけられ、十二年度予算案においても所要の関連経費が盛り込まれた。

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