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まちのバリアフリー化


 香山充弘


 巣鴨地蔵通りは別名「おばあちゃんの原宿」。毎日多くのお年寄りが訪れるので有名だ。もとよりとげぬき地蔵の吸引力あってのことだが、まちづくりにかける地元の努力も少なからず貢献している。お年寄りにとって、他のどこよりも快適で楽しいまちづくりがなされているのだ。
 高齢者や身障者にやさしいまちづくり―――まちのバリアフリー化―――は、全国の地方団体に流行し、今や時代をリードするキャッチフレーズになりつつある。自治省では、「地域福祉推進特別対策事業」や「共生のまち推進事業」によって公共施設改造等を支援しているが、取り組みは年々積極的となり、事業費も大きな伸びをみせている。
 しかし、残念ながら、バリアフリー化は「まだまだ」というのが実感である。
 ハード面で言えば、高齢者等のニーズが十分に把握できていないこと。市庁舎や公民館など目玉施設にはスロープや手すりが作られているが、お年寄りになったつもりで現実に街を歩いてみると、至るところにバリアが残っている。バリアフリー化が行政サイドのひとりよがりに終っているというケースが少なくないのだ。成功している巣鴨の場合、集まってくるお年寄りから実に様々な要望が寄せられ、地元がそれに一つ一つ丁寧に対応している。それがお年寄りに喜ばれ、さらに多くのお年寄りを集めている。
 いまひとつは、「人々の気持ち」の問題。盲人用ブロックを整備していても、放置自転車がそれをおおっていたのでは何の役にも立たない。段差の前で立ち止まる人が居たら、近くの誰かが手を引いてあげればよい―――モノの整備は必要ない場合だってあるのだ。
 バリアフリー化の成否はつまるところ、まちに住む人々全体の「やさしさ」にかかっている。条例を制定するとか施設改造のデザインづくりや施設、管理のシステムづくりに住民参加を求めるとか、さらにはアメリカのコミュニティガーデン的な運動をおこすとか―――アイディアは色々あると思う―――まち全体にやさしい人間関係が醸し出されるようなしかけづくりが大切だと思う。(自治省官房長)

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