ホーム プロフィール 著書など ニュース ライブラリ 明日のふるさとを考える青年の会

 

 

インタビュー
道州制、観光…   「北海道は日本の代表選手」
聞き手 酒 井 雅 広
衆議院議員・自民党総務局長
北海道州制検討小委員会委員長
元運輸大臣・北海道開発庁長官
二 階 俊 博
「財界さっぽろ」二〇〇五年三月号


 二月一日に自民党の北海道道州制検討小委員会の委員長に就任した二階俊博総務局長(和歌山三区選出)は、以前から協力な “北海道の応援団”だ。運輸・観光行政に造詣が深く、北海道開発庁長官の経験もある。保守新党幹事長時代には、道新幹線の旗振り役も務めてくれた。


道州制に向けた知事の熱意に敬意

 ―道州制の問題ですが、二月一日に自民党の道州制調査会(伊吹文明会長)が開かれ、北海道道州制検討小委員会が正式に発足し、二階先生がその委員長になられた。北海道をモデルとする道州制の先行実施は、高橋はるみ知事も大変力を入れており、推進に向け強い決意を述べています。二階先生は道州制をどのように捉えておられるのか、先ずお聞きしたい。


【二階】
 歴史的には、私どもの関西地域においても、他のブロックでも、県境を乗り越えて政治、経済、文化において、交流を深めると同時に、お互いに協力し合って、新しい発展の方向を探ろうということで、道州制の論議は三〇年も四〇年も前から浮かんでは消え、盛り上がっては沈んでということを繰り返してきました。
 この前の総選挙で、自民党の選挙公約に道州制問題が取り上げられ、北海道については特区として他の地域に先行して道州制を実現し、模範にして行こうという機運が盛り上がってきた。そこで道州制調査会が先般、党にでき、それから北海道の問題に関し限定して協議するという意味で、北海道道州制検討小委員会ができたわけです。
 全国知事会にも道州制問題の検討委員会ができており、議長を私の県(和歌山)の木村良樹知事がやっています。私も北海道開発庁長官(運輸大臣と兼任で一九九九年十月から二〇〇〇年七月まで)などをさせていただき、北海道に全く無縁でもないということで、小委員長を仰せつかったという次第です。
 これから今日までの経緯、経過を十分関係者から承って、その上で、今後の進め方・取り組み方を決めて行きたいと思っています。
 いまだ北海道選出の議員の間にも、いろんな意見がある。これだけの大きな問題ですから、いろんな意見があることは当然なんですが、できるだけ疑問点や課題、問題点をお互いに出してもらって、北海道の新しい時代を誘導することができれば、初期の目的が達成するのではないか―と考えています。
 幸い高橋知事も大変ご熱心で、再々この問題で上京され、各方面でご活躍をされておりますし、わたし自身も一ヵ月ほど前にお目にかかって、知事の道州制問題に対する実現への意欲、あるいは構想を承って、敬意を表しているところです。

 ―初めての試みということで、様々な意見があると思うのですが、二月一日の会合では、北海道選出の議員の中から道州制に対する異論が出たようですね。

【二階】
 異論と言うか、あの程度の意見は当然でしょう。結構だと思いますよ。

 ―道州制の先行モデルについて、何かイメージといったものをお持ちですか。

【二階】
 いや、議論はこれからですから、まだ白紙です。

 ―今回の小委員会は最初、「道州制特区に関する小委員会」という名称にするはずだったのが、「特区」という言葉を外したと思うのですが……。

【二階】
 それは自民党のマニフェストとか、選挙公約にそういう言葉(特区)が並んでいるから、そういう意見もあったんですが、小委員会のメンバーでこういう名称に決めようという意見が出て、「それで結構だ」となったんですね。

 ―武部幹事長は「特区という言葉が外れて、かえって良かった」と言っていたが、その方が道州制を広く論議できるということでしょうか。

【二階】
 まあ、名称よりも実をあげることですよ。

 ―道州制は自民党の公約でもあるし、小泉純一郎首相と知事が直接話をした結果、北海道に道州制のモデルを持って来ようということになりました。道庁も「これは北海道の再生のために必要だ」と取り組んでいる最中です。道州制導入の意義について、どうお考えですか。

【二階】
 北海道のみならず、「このままでよいのか」ということから言うと、もう少し真剣な開発発展の方向を創造するというか、構築する必要があるのではないかという意見は、あるんですね。道経連の副会長でJR北海道会長の坂本眞一さんとわたしは知り合いなのですが、先ほど野中広務元自民党幹事長とお会いしましたら、「JRの坂本さんが『道州制の特区について、経済界としてもバックアップしていきたい』と言っていましたよ」と話しておられました。
北海道は無限の可能性を持っている

 ―つい先日、北海道観光連盟会長の 我孫子健一さんと話をしたときに、二階先生の話が出ました。二階先生は観光には造詣が深いことで知られていますからね。道観連は観光誘致のためにも特区が必要だということで、十三項目の提言をします。

【二階】
 北海道は無限の可能性を持っている。やり方次第ですよ。
 苫小牧東部の計画についても、私も北海道開発庁長官の立場で、現場も見させていただいたこともありますし、日本の経済界の人たちのご意見を伺ったこともあります。「ある意味では、苫東があれだけの土地を一人で持っているといってもおかしくない」「そういう場所は日本にはない」「日本の宝だ」「あれを、慌てて何かにするというよりも、よく熟慮すべきだ」と言うんですよ。
 他の地域にはないものを中心にして、北海道の新たな時代を組み立てていくという、たいへん力強いご意見をいただきました。今度の検討委員会のスタートに当たって、それもいくつかのテーマの中のひとつと言えると思いますね。

 ―道州制論議が起きてきた理由に、市町村合併があると思うのです。市町村合併が進むにしたがって、国や都道府県、市町村の役割分担、権限移譲の問題が出てきます。

【二階】
 そういった事柄についても、北海道に先駆的な役割が期待されると思います。
 ―道新幹線着工でも尽力されましたね。

【二階】
 昨年末の予算編成時、函館までの新幹線を道民の皆様に確約したことは、素晴らしいことであったと思います。「函館から先をどうするのか」と、気の早い人もいますが、それから先はフリーゲージトレインでもいいわけだし、日本経済がどうなっていくか、北海道がどのように発展していくか、その必要性はどうか、などをにらみ合わせて、そのとき、考えればいいんで、今結論を出す必要はないわけですよ。
 航空路も次々新しい路線が開かれています。
 日本の各地域の方が北海道に対する憧れを持っている。アジア諸国からも、「北海道に行きたい」と思っている人が多い。観光のメッカでもあるわけですよ。北海道の人たちが考えている以上に、アジアの諸国の人たちは、北海道に対して期待、希望を抱いてくれている。これにどう応えていくのか、ですよ。
 それと北海道の医療の問題。広範囲、広域の地ですから、医療関係でITを活用して、地域医療の分野で、先駆的な先端医療を意欲的に取り組む。これも、日本だけではなく国際的視野に立って、大きな実験だと思いますね。北海道にはその実現の可能性、条件が整っている。北海道開発庁長官時代、札幌医大の辰巳治之教授の構想に予算をつけて、バックアップをさせていただいたことがあります。

 ―観光は北海道にとって大変重要な産業です。

【二階】
 観光の分野では、北海道は “オール日本の代表選手”ですよ。そういう期待に応えるためにどうするか、ということですね。有珠山の噴火は不幸な出来事でしたが、住民の緊急避難の模範例であり、北海道観光を見直すと同時に、災害復旧に何が必要かということを顧るいいチャンスでもあったわけです。その後、北海道が順調に回復して、観光の振興にも勢いをつけていることを、われわれ北海道のファンとして嬉しく思っております。
 ツール・ド・北海道には個人的にも関心があります。当選早々の頃から、サイクリング振興の議員連盟をつくり、今もかかわっているんです。
 谷垣禎一財務大臣もサイクリニストとしては有名なんですよ。谷垣さんと会うたびに「北海道で一度走りたい」と互いに言っているんですが、なかなか機会がないんです。

 ―一キロでも走ってもらえると、いい宣伝になります。

【二階】
 そういうことを、どんどん議連でもやって行けばいいのでしょうね。
北海道の先頭に立って陳情も

 ―大変力強い北海道の応援団ですよ。

【二階】
 先ほどの新幹線ですがね、高橋知事の選挙のとき、函館までのメドがつかなければ、知事選を進めていくのに具合が悪い、「何とかしてもらいたい」と地元から脅かされましてね。シナリオライターの中心は、武部勤現幹事長であったと思うんですよ。
 当時、与党三党を代表して札幌に応援演説に行かれたのは、当時の政調副会長だった額賀福志郎代議士で、三党幹事長である山崎拓自民党幹事長、冬柴鐵三公明党幹事長、それに保守新党の私とが、函館までの新幹線について確約するという意味のサインをするようにということで、武部さんが随分熱心にやっておられました。
 財政困難の折、清水の舞台から飛び降りるような、大変な賭けだったんです。しかし、北海道の発展のためであるのに加えて、善戦している高橋さんを当選確実ならしめる大事なことだというので、本会議場から出てきて、サインをしたことを覚えています。
 すぐその後、額賀代議士が予算の責任者である政調会長になられたので、「大いに(道新幹線の)予算をつけて頑張ってください」と言ったことがあるんです。また、あのときのシナリオライターの中心である武部さんが、自民党の幹事長になられたわけですから、それぞれ大いに責任を感じて、早期の完成に向けてご努力いただきたい。
 今度は、北海道道州制検討小委員長の立場から、攻守ところを変えて、高橋知事や北海道選出議員の皆さんとご一緒に、陳情に上がらなければならない立場になりました。

 ―武部幹事長とは、昔から仲がいいそうですね。

【二階】
 ええ、わたしの二人後の運輸政務次官が武部さんなんです。わたしは党が変わりまして、最初は海部内閣、次に細川内閣で再び運輸政務次官になった。だから、佐藤敬夫さんと武部さんとわたしの三人は、大変な仲良しなんですよ。武部幹事長や佐藤先生からは「二階さんは運輸政務次官の先輩であるが、後輩でもある」と言われています。
 今回、武部さんが幹事長に就任されたので、大変喜んでいます。わたしも党の総務局長を要請されて、お引き受けしたところ、今度は北海道の道州制検討小委員長だということになったんですが、「ひとつやるのも、ふたつやるのも同じだ」と、強いご要請にしたがったということです。

 ―小委員会は三月いっぱいまでに一定の方向性を出すということでしょうか。

【二階】
 これだけの大きなことをやるわけですが、だからといって、検討だけしていればいいというわけにはいかない。将来、道州制を実現していくとすれば、そうのんびりもしておられないでしょう。

 ―総務局長というポストは忙しいでしょうね。

【二階】
 毎日仕事がありますからね。四月には山崎拓前副総裁の補欠選挙があります。山崎先生も必勝体制をとっておられる。宮城県もあるんですが、これから候補をまとめようと思っています。夏には都議選です。選挙は勝たなければ話にならないですから、全力を尽くします。

検索語   検索ガイド