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トルコ共和国ギュル大統領の串本町訪問

2008.06.24掲載

衆議院議員・自由民主党総務会長
二 階  俊 博

 

 トルコ共和国の大統領が来日され、天皇陛下に謁見し、福田首相と首脳会談が行われた。その翌朝、大統領ご夫妻のご一行を乗せた満員のチャーター機は南紀白浜空港に向けて飛び立った。このことを知った国民の皆さんの中には一八九〇年九月、串本町の樫野崎で遭難沈没したトルコ軍艦「エルトゥールル号」のことを前々から承知している人は、大統領が自ら、亡き多くの犠牲者の霊前に献花されることに感慨を新たにされた人々は多い。
しかし、大統領が、何故和歌山に行かれるのか驚かれた人も少なくない。
 それほど、今回のアブドラ・ギュル大統領ご夫妻の串本訪問は画期的なことであり、ご努力を頂いた仁坂知事や松原町長をはじめ、関係者の皆さんに敬意を表したい。
私は、超党派の日本トルコ友好議員連盟(亀井久興会長)の副会長として大統領が宿泊されておられた帝国ホテルで行われたの歓迎朝食会の席で、ご挨拶を交わさせて頂いた。
とても紳士的で親しみやすい人柄は、与野党の議員の間にも、親近感が高まり、印象深い会談となった。
 私は、「日本とトルコの古い歴史、エルトゥールル号のご縁をお互いに大切にして、両国の絆を次の世代に着実に継げていかなくてはならない。若い世代の交流、中学、高校生等の修学旅行で相互訪問が出来るよう両国政府がバックアップをする道を考えてみることが大事ではないだろうか!」と提案したところ、大統領は「素晴らしいご提案であり、賛意を表したい。その場合、串本町の存在する和歌山県から最初にはじめるようにしてはどうだろうか」と言われました。
 この席には大江康弘参議院議員も出席しておられた。出席者一同は、大統領の見事な応答に全員が拍手で応えた。
 その日の夜、福田総理ご夫妻主催の少人数の歓迎晩餐会が総理官邸で開催された。私も招かれ、打ち解けた雰囲気の中で、日・ト両国の今後の交流、協力について話し合いが続けられた。
 しかし、どうしても話は串本のエルトゥールル号の話が主役になってくる。
 翌朝、一行は羽田空港から南紀白浜へチャーター機で向かうことになっており、私と大江参議院議員が大統領の配慮で同乗させて頂いた。
 串本町大島でのエルトゥールル号の慰霊祭は厳粛な中に、遠くトルコ国から、はじめて大統領がご出席になられたことに参列一同は特別の意義を感じ、感慨無量のものがあった。海上自衛隊の儀杖隊の弔銃、大統領ご夫妻の献花、祖国を遠く離れて眠る將兵たちに、献げる大統領の一語一語に感銘を深くした。
 地元から県議会議員、市町村長、議員の皆さん、鶴保庸介参議院議員も駆けつけてくれた。中でも、大島小中学校の児童生徒たちの心のこもる追悼歌の合唱は哀愁を含んで海底に眠る五〇〇名の御霊に届けられた。大統領の写真入りの串本町訪問の記念切手の額を差し上げたところ、直ちに大統領はサインをして頂いて、大島のトルコ記念館に展示されることになった。
 大阪へ出られる大統領と同じ列車でしたので、途中から私は有田の温室栽培のみかんを差し入れしたところ、大統領から「あまりおいしいので3ヶ頂きました」とお礼のメッセージが届いた。紀州ご訪問の旅は思い出深い旅になったことと思いますが、私たちにもはるか海を越えた友情の種を沢山捲いて頂いた「大統領の旅」であった。

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