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東京国際映画祭と田辺弁慶映画祭
映画は国境を越え人々に感動を(その2)

2009.01.14掲載

衆議院議員・経済産業大臣
二 階  俊 博

 映画=「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」=田辺市を舞台にした見事な青春映画である。南カリフォルニア大学で映画を学ばれ、腕を磨いて来られた田辺市出身の太田隆文監督が中心となり、紀南の自然豊かな環境と古くからの伝統の町並みや懐かしい木造校舎等を生かした風景をバックに繰り広げられる昭和四〇年代の頃の地方の女子高生の様子が鮮やかに描かれている。

 ふるさと愛に燃える実行委員長の中田吉昭さんや、多田稔子さん達の熱意と努力は並大抵のものではない。ふるさと田辺で映画をつくりたい。映画を通して、田辺市を全国に広く発信したい。田辺市の観光振興にも大いに役立せたい。―――こうして一人一人の若者たちのエネルギーが結集して、県や地元の市も動して、街の有力者も動員して、みんなの力を結集して、ストロベリーフィールズの上映へとこぎつけた意義は大きい。

 東京へも何度も足を運ばれ、「営業」活動にも熱心に取組まれた。度々、関係者の皆さんの熱い想いを聴きながら、私が協力出来ることは何があるだろうかと考えた。その頃、すでに経済産業では、映画、アニメ、漫画等を中心にコンテンツ産業の躍進に政府としてバックアップする方針を打出し、大臣の私的諮問会議を設けて、巾広い産業政策の一役を関係の皆さんにお願いして、私はやがてコンテンツ産業がトータルで「二十兆円産業の時代」が来ると内外に発表していた。その頃、WTOの閣僚会議でジュネーブに出張の機会が度々あった。その都度、飛行機の乗り継ぎでパリに立寄った。いつもジェトロ(日本貿易振興機構)パリの中井所長(当時)が、出迎えてくれた。フランス事情や、パリでも日本のマンガやアニメの躍進ぶりについても説明してくれた。

 日本のホテルでテレビをつけると、いつも「野球」をやっているといつか中国の要人が語っていたが、パリでは日本のアニメが盛んに放映されている。パリの子供たちは、自宅では、日本のアニメを観て育っていると言われている。日本語の一部はパリの子供たちを介して、一足先にフランスの家庭に入り込んでいるとの説明を受けた。田辺の映画のことが頭から離れない当時の私は、思い切って、郷里の田辺で出来た映画を、国際的に有名なカンヌ映画祭に出展上映することができるようカンヌ映画祭の委員長に頼んでみてくれないかとジェトロの所長にお願いした。カンヌ映画祭に出展上映を希望することは、私にとってもかなり勇気のいる提案であった。カンヌ映画祭のジャコブ委員長は十年以上も委員長をつとめる国際映画界の超大物である。さすが伝統の映画祭をここまでリードして来られただけあって、関係者や私の願いが届いて、三万本も出展する中に田辺の映画が上映されることになった。そして委員長のご好意で、「特別感謝状」まで授与された。日本の地方の映画製作に明るい灯をともしてくれた瞬間でもあった。今、田辺では「田辺・弁慶映画祭」として大きな一歩を踏み出した。昨年の秋の開催中の三日間、平工近畿経済産業局長は熱心に田辺へ、通ってくれた。本省の近藤商務情報局長も閉会式に出席され、私も日本映画界で有名な大森一樹監督にもお目にかかり、奥さんも和歌山の出身でいつかこの風光明媚な和歌山の地で映画を撮りたいと語ってくれていた。ご縁を大切にしたいと思っている。

 幸い仁坂知事や和歌山県市長会会長の真砂田辺市長等のご理解が深いことも心強い味方である。

 行く先長い道程であっても、地域が新たなチャレンジに踏み出した意義は大きい。これからも地域の映画造りの新たな芽を如何にかして着実に伸ばしていくかが今年の経済産業省の大きな課題でもあり、映画産業や専門家の皆さんの期待でもある。

 

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