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津波防災法の成立を目指して

 2011.6.8掲載

衆 議 院 議 員

二 階  俊 博

 昨年2月28日の日曜日のことであったと記憶している。自民党が全国一斉に街頭演説を計画、和歌山県でも実行することになった。私は、新宮市役所前を皮切りに北上することになっていた。その日はチリ津波が押し寄せて来ている最中で、やがて紀伊半島にも到達することになっていた。            
 新宮市でも津波がやがてやってくることを市民に知らせると同時に、市長が陣頭指揮をとって頑張ってくれていた。県にも連絡すると知事が全県に向かって災害に対する万全の体制をとってくれているとのことでした。街頭演説を早々に切り上げて次の会場へ向かった。みんな津波のことを気に掛けながら集まってくれていた。「演説は早く切り上げますから、低いところの人は高いところへ逃げて下さい!」と県から教えられた通り、私もマイクを通じて訴えた。しかし、様子を見ているとほとんど逃げる気配がない。後で聞くと県全体で避難した人は十五%位だということであった。

 翌日上京して早速何人かの国会議員にその状況を説明し、これは「法律をつくって、津波に対する国民的知識を向上させて頂くと同時に、ハザードマップの整備や、地域の避難場所の設置や津波に関する知識の普及、日常から備えの重要性を徹底すること。そのために年一回国民みんなで津波のことを考える日にするため「津波の日」をつくる等、議員立法でやることを訴え幸い同志の国会議員の賛同を得ることが出来た。このことを推進する母体として「津波災害に関する議員連盟を結成することになった。災害等の専門家である泉信也参議院議員が会長に選ばれた。

 4月21日に、自民党四役に対し、津波対策について法制化することに対し同意を得て、党四役も全面的な協力を約束され、議連にも直ちに入会して頂いた。

 議員立法で国会に提出する以上、しっかりとした理論武装が必要であり、そのため、各界の有識者等を招いて、説明を受けると共に、熱心な意見交換を数回にわたって行った。

 現地調査も必要とのことで、調査団は和歌山県を訪問、県庁、海南市役所及び船上からも浮上式防波堤事業を想定している下津港湾を視察し、地元の関係者からも説明を受けた。一行は、さらに「稲むらの火」で有名な広川町を訪問、津波防災センターと浜口悟稜記念館で津波に対する浜口悟稜翁の素晴らしい偉業に心打たれるものがあった。

 6月11日(昨年)に法律案は自民党、公明党の党内手続きを終えて、私を筆頭提出者とし、7名の提出者、59名の賛同者をもって、衆議院に提出された。しかし間もなく国会の閉会を迎え、本法案は継続審議となった。今国会で議員生活を終える泉信也先生の在職中に法案を成立させることが出来ず残念であった。

 しかしもっと残念なことは、翌年の3月11日観測史上最大といわれる大津波が東北地方に押し寄せ、地震、津波、原発によって多くの尊い人命や財産を一瞬のうちに奪い去った。災害から間もなく三ヶ月を迎えようとしているのに、未だに復旧復興のメドすら立っていない。いよいよ法案審議という時に、内閣の不信任案で、また審議が引き延ばされ、切歯扼腕している今日この頃である。成立に向けて私は、心ある同志と共に、執念を燃やして、政治の責任を果たしたいと考えている。

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