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132回-衆-本会議-07号 1995/02/17

○二階俊博君 ただいま議題となりました阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案について、新進党を代表して、総理及び関係閣僚に対し、若干の質問をいたします。
 このたび阪神・淡路地方を襲った大震災に対し、政府は初動のおくれをしばしば各方面から指摘をされ、総理もこのことを認め、大いに反省の上に立って災害復旧に努力の結果、ようやくただいま御提案の法律に基づき、総理府に阪神・淡路復興対策本部を設置し、みずから本部長として復興対策に取り組む姿勢を示されたことは、一応の評価をするものであります。
 しかし、これは結局は、総理が本部長、地震担当大臣が副本部長、その他の閣僚が本部員ということでありますが、今行われている、総理、あなたが本部長の緊急対策本部とどこが違うのか。これで本部が三つできたわけでありますが、今後どの程度のことが新たな本部に期待されるのか、御答弁をお願いいたします。
 当初から、緊急災害対策本部の設置については、私たち新進党の再三の要請や、地元、兵庫県知事等の要望にかかわらず、頑としてこれを拒み続け、法的な権限も持ち合わせていない閣僚会議のようなものをつくって、災害対策基本法百五条に基づく緊急災害対策本部を設置しなくても万全の対策を講ずることができると言い続け、結局は対策は後手後手に回り、災害復旧に不眠不休の努力を続ける地元関係者をして、このような未曾有の大震災にもかかわらず、やはり官僚たちの壁は厚いと長嘆息している現地の幹部の姿を私は再々見ておるのであります。兵庫県選出の我が党国会議員の声も切実であります。
 総理、伺いますが、非常災害対策本部、各省の担当課長さんの集まりのようなものですが、次に緊急対策本部を設置されて一時はしのいでみましたが、これには、さきに申し上げましたとおり法的根拠がなく、地元の被災者の要望や復旧作業が事実上迅速に進まないということにようやくお気づきになって、この法案を提出に至ったものと言わざるを得ないのであります。
 今、国民の皆さんの間では、災害復旧に関しての政治休戦のときではなく、首相の政治責任を明確に追及すべきときに来ておるという声がちまたでささやかれています。政治不信の声すら上がっているのであります。
 私は、去る一月二十日の緊急質問の際、「自衛隊の最高指揮官としての村山総理は、救援の初動活動において、人命救助最優先の立場からもう少し積極的なしかも迅速な指揮がとれなかったのか、悔やまれてならない」「政治責任もあわせて、この際、総理の御見解を伺いたい」と申し上げました。これについて、総理、あなたは何もお答えになりませんでした。当初、多少混乱しておられる時期でもあり、あえて私はそれ以上のことは何も申し上げませんでした。予算委員会の集中審議の際もしかりであります。
 ところが、一昨々日の本会議において、総理は、同僚山崎広太郎議員の質問に答えて、わざわざ一月二十日の私の緊急質問を引用され、私には「今から振り返って考えてみますると、何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますからこと述べておられるのであります。
明らかに、主語は抜けていますものの、前後のことから判断して、総理御自身の率直な御感想であったのだろうと私は思っておりました。一昨々日急に、山崎議員の質問に対して、総理は「本会議で、初めての経験であり早朝のことで若干の混乱があったと申し上げましたのは、被災地のその当時の状況を申し上げたものでございます。」と答弁されております。これは明らかに言いわけに過ぎるではありませんか。
 総理、緊急災害対策本部の設置についても、再三言を左右にされた上、衆議院本会議において、設置に対し、「今後の事態に対応できるように、緊急に判断をしながら措置をしてまいりたい」と前向きとも受け取れるような御答弁をいたしながら、参議院では一転して、「あえてこのような措置をとる必要はない」と答えております。これでは、いつ答弁が変わるかわかりません。
 多くのとうとい生命を犠牲にしたこのような大災害は、およそこの時期に国会議員である者は、まさに命がけでこの対策に取り組むべきことは当然のことであります。もはや「災害復旧に全力を尽くします」を繰り返しておるだけでは許されないのであります。この際、総理の政治的責任について、今度は明確にお答えいただきたいと思います。(拍手)
 あの悪夢のような大震災発生以来、ちょうど一カ月が経過いたしました。きょう現在、死者五千三百七十八名、家屋の倒壊十五万五千戸、避難所で御不自由な生活を余儀なくされている人たちが二十一万三千四百人おられるということであります。この事態は、どう考えても異常なことであります。
 その上、国が災害救助法に基づいて支給する食事代は二食で八百五十円が限度であります。せめて三食の食事だけは何とかしてほしいという声が私どもに届いております。けさ、どれだけ多くの方々が食事をされたか。つまり、食事が十分に行き渡っているかどうか。県からの要請ではなく、足りないわけですから国が配慮すべきことであります。こんなことは、英断でも決断でも何でもありません。被災者の方々の立場に立って、直ちに行動を起こしていただきたい。
 ちょうど一カ月ですから、何もかも総点検のときであります。
 現地の皆さんは、食事の次は住居であります。その必要数と現在の達成度及び計画進行の状況と今後の御方針を伺います。
 次に、職業安定のための配慮が必要であります。
 復旧の第一歩は、瓦れきの処理であります。これらが進行状況と今後の計画についてお尋ねをいたします。
 電気、ガス、上下水道のライフライン回復が急務であります。地方自治体間の救護協力の活動状況は今どのように把握されておりますか、あわせてお答えを願います。
 次に、法案にもありますように、復興についての基本理念についてでありますが、総理御自身の基本的な考え方、哲学を明らかにされたいのであります。再びあのような惨事を招くことのないように、このたびの大震災を歴史の教訓としなければなりません。単に原形復旧にとどめることなく、耐震構造、防火対策をも念頭に置いての復旧でなければなりません。総理御自身の言葉で、国民の皆さんの胸に響くような御決意を語っていただきたいのであります。
 法案には「復興を迅速に推進する」とあります。新幹線の再開は、神戸復興のシンボルとして重要であります。私鉄を含め鉄道、さらに港湾について、さきの国会決議等もあり、総理もたびたび御答弁をされておられますが、神戸の港湾機能の回復はいつの時期か目標を定め、国の総力を傾けて努力すべきであると考えておりますが、運輸大臣の御見解を伺いたいのであります。
 法案は、当然復興作業を急がせるわけですが、その際、積極的に何をなすべきか。また、「阪神・淡路地域」とありますが、京都は入るのか、その区域も明らかにしていただきたいのであります。
 法案の内容は、対策本部設置法であり、具体的施策は他の法令にゆだねられることになっておりますが、今後どのような法律を提案しようとしておられるのか、承っておきたいのであります。
 神戸市のフリー・トレード・ゾーンにつきまして、通産大臣にお尋ねをいたします。
 かねてより神戸市の計画に対して通産省が既に支援をされているようでありますが、御承知のとおり大蔵省との関連もあります。この際、災害復旧に関する、中小企業はもとより大企業に対しても手厚い配慮が望まれておりますが、この点もあわせ通産大臣の御見解をお願いしたいのであります。
 次に、被害総額でありますが、これが出てこないと財源問題も検討のしょうがないと言われております。兵庫県知事は、去る一月二十二日、記者会見の後に、総額十兆円ぐらいと言われました。あれから二十五日ほど経過して、国は九兆六千億円という被害の総額をようやく昨日になって明らかにされたのであります。補正予算、組み替え動議等の動きを警戒して、政府が公表を抑えていたのではないかといううわさを呼んでおります。兵庫県は大県とはいえ、地方の知事よりおくれること二十五日、地震担当大臣、これをどう考えておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
 次に、「活力ある関西圏の再生を実現する」となっております。かつて、関東大震災の際の後藤新平は、大震災の前、東京市長時代に、既に東京改造計画を温めており、震災後、彼は内務大臣として直ちに復興の基本方針を明らかにして、今日の東京発展の基礎を築き上げたと申し上げても過言ではありません。幸いなことに、兵庫県にも神戸市にもそれぞれ後藤新平がおりました。兵庫県にはひょうごフェニックス計画、神戸市には神戸復興計画が、地元住民の合意を求めながら準備がなされております。これうの計画を、計画の初期の段階から国が積極的に支援するという果敢な対応が必要であります。総理はこのことをいかにお考えでありますか、お答えを願いたいと思います。
 次に、関西圏再生のために、財団法人関西生産性本部、社団法人関西経済同友会による阪神大震災復興会議により緊急アピールがなされていますが、総理もこのことは承知しておられるはずであります。三百名を超える被災自治体の代表や国の行政機関、関西経済界を代表する有力メンバーがお集まりになっての提言であります。国がなすべきライフライン及び交通インフラの確保、企業としての協力のあり方等が述べられており、今、関西の経済人の間では関西のグランドデザインが描かれようとしております。政府はこれらと一体となって災害に強い新しい都市づくりに取り組むべきと考えておりますが、総理の御見解を伺いたいのであります。
 幸いなことに、本年十一月、APEC大阪会議が開催されます。このことは、アジア・太平洋に新しい時代を切り開くためにも、世界に向かって関西復興のプログラムを示すチャンスでもあります。
 復興法案はこのことも当然念頭に置くべきであります。それには、関西国際空港の全体構想を第七次空港整備五カ年計画に組み入れる等、さらに、神戸空港についてもさきの予算委員会で運輸大臣から積極的な御答弁をいただいておりますが、このような被災地の皆さんが夢と希望の持てる計画もこの際思い切って推進する等が重要であります。口先や単なる言葉だけでは、復興には何の役にも立ちません。今必要なことは、世界に向かって復興の道筋を明らかにすることであります。総理の御所見を伺いたいのであります。
 私は、この法律は各省との間や地方自治体との間の総合調整を考えておられるものと存じておりますが、JR西日本を初め私鉄及びライフライン
を受け持つ各企業等は、復興の重要な部分を担いながらも基本理念の中では明確ではありません。この際は、政府、県、市、可及び民間がそれぞれ何をなすべきか、この法律に基づき、国民的な合意を求め、きちっとした役割分担が重要であります。
 復興を急ぐためには財政的には何をなすのか、財源をどうするのかも明らかでありません。復興本部にはもっと強大な権限を付与して、はっきり国民の皆さんにも、県や市や淡路島の皆さんにも、これからの復旧の姿が見える形のものでなければなりません。単に屋上屋を重ねただけでは地元の被災者の皆さんは安心できないのであります。総理として、本部長として、以上のことに対する御見解を承りたいのであります。
 本法案は、当初私どもに提示されたときの名称は、たしか阪神・淡路大震災復興法案でありました。昨日夕刻に至り、内容は変わってはおりませんが名称が変わりましたと政府から説明がありました。法案の名称がくるくる変わるというのでは、これはいかにも泥縄式と言わざるを得ません。災害発生当初の混乱とショックから、対策本部そのものがまだ立ち直っていないのではないかと憂慮するものであります。
 けさの新聞によれば、復興法案と呼ぶには内容が伴わないという声が与党の中からも起こり、すったもんだの末にようやく名称を変更して提出に至ったと書かれております。こんなことでは、野党が言い出す前に、災害復興をこの人たちに任せておいて大丈夫かと、本当に国民の皆さんの信頼を得られないのではないかと危惧するものであります。
 私たちは、一時国会をお休みにしてでも、政府は災害対策に没頭すべきだと申し上げてまいりました。それにも、あなたはにべもなくお断りになられました。急に昨日夕刻、名称をつけた法案を、今日ほとんど問答無用に近い国会運営もいかがなものか。あなたは、かつて野党社会党の国会対策委員長を歴任されておりますが、これについていささかおかしいのではないかと気がつかなければなりません。この国会運営をどう思っておられるか、総理としての御見解もあわせてお尋ねをいたしたいのであります。(拍手)
 間もなく、春を告げる甲子園の選抜高校野球の季節が近づいてまいりました。ことしこれを行うかどうか、広く国民の皆さんの間でも、高校野球ファンの間でも注目が集められております。昨日、新進党の議員総会において、あらゆる困難を乗り越え、大会には被災者の皆さんのお気持ちにも十分配慮しながら、ことしも大会を実行すべきであると決議をいたしました。本日開かれております高野連等関係者の会議でこのことを最終決定されるようであります。本来、文部大臣にお尋ねをすべきことでありますが、この大会運営にも政府は可能な限り支援を行い、高校球児の流す汗や彼らの笑顔が、阪神大震災によって国中が落ち込んでしまっているような現状を吹き飛ばし、被災者の皆さんにも勇気と希望を持っていただくことを期待しつつ、選抜甲子園大会を盛んなものにしたいと思います。
 小里国務大臣の見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
○内閣総理大臣(村山富市君) 五千三百名を超す犠牲者と想像を絶する未曾有の大災害をもたらしました阪神・淡路地区の大地震が起こりましてから、ちょうど一カ月目を迎えました。私は、改めて、亡くなられた方々や遺族の皆さんに、謹んで哀悼の誠をささげたいと思います。
 同時にまた、三十万を超す被災された方々、負傷された方々に対して、お見舞いを申し上げたいと思います。
 さらにまた、みずからが被災者であるにもかかわらず、不眠不休の努力を重ね頑張っておられます県市町村の職員の皆さんや、あるいは警察、消防、医療関係者、自衛隊の皆さんの御苦労、それからさらに、全国から参じて救援活動に専念されておりまするボランティアの皆さん方に、心から感謝を申し上げたいと存じます。(拍手)
 以上申し上げまして、二階議員の質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。
 まず最初の御質問は、緊急対策本部と阪神・淡路復興対策本部との違いについてお尋ねがございました。
 地震発生後は、まず何よりも緊急を要する救援・復旧作業を早急に実施する必要がございましたので、政府として全閣僚から成る緊急対策本部を設置いたしまして、一体的かつ総合的な災害対策を講じてまいったところでございます。
 また、地震発生後一カ月を経過してまいりました被災地の総合的、計画的な復興について、地元自治体を支援しながら国としても一体となって取り組んでいく必要があることから、復興のための施策に関する総合調整を実施し実行するための阪神・淡路復興対策本部を設置することといたしたものでございます。この復興対策本部の設置によりまして、関係行政機関の復興のための施策の総合調整に万全を期す、同時に政府が一丸となって復興を推進してまいりたいと考えておるところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 次に、緊急対策本部等では復旧作業等が迅速に進まないということについてお尋ねがございました。
 ただいま申し上げましたように、これまでに設置をいたしました緊急対策本部等が、緊急を要する救援・復旧作業に総力を挙げて取り組んできたものでございまして、また一方、総合的な復興の実現の重要性にかんがみまして、復興本部に関する法案を提出したものでございまして、それぞれ適切な対応と考えておりますので、御批判は当たらないと考えます。御理解をいただきたいと存じます。次に、救援の初動活動において積極的かつ迅速な指揮がとれなかったのかとの御質問でございますが、私は、地震発生当日の一月十七日午前十時の閣議において防衛庁長官から自衛隊の対応について報告を受け、同じ閣議において非常災害対策本部が設置された際、私から政府全体として万全を期すように指示をいたしたところでございます。自衛隊は、今回の阪神・淡路大地震に際しまして、航空機による状況の把握、駐屯地近傍における救援活動等、自発的に各種の対応を行いつつ、兵庫県知事からの要請のあった後は直ちに部隊を派遣したものでございまして、このような自衛隊の措置につきましては、そのときそのときの状況に照らしてみれば、でき得る限りの措置がとられたものと考えております。
 ただ、初動期の対応につきまして、いろいろと御批判のあることは十分承知をいたしておりまするし、そうした御批判にも謙虚に耳を傾け、見直すべきところは率直に見直してまいることについては、これまでもたびたび申し上げておるところでございます。
 私といたしましては、今回の経験に照らし、今後ともみずからが先頭に立ってリーダーシップをとり、内閣を挙げて、引き続き被災者の救援対策と復旧・復興対策に取り組む決意でございますから、そうしたことを実践していくことがこの内閣の責任であると考えておるところでございます。(拍手)
 次に、二月十四日の衆議院本会議における私の答弁についてお尋ねがございました。
 山崎議員は一月二十日の衆議院本会議における私の答弁の一部を引用して御質問されたのでございますが、私としては、誤解を招いてはいけないと考え、当時の答弁の真意について御説明をさせていただいたところでございます。
 すなわち、今回の地震発生以来、現地における関係自治体の職員や警察、消防、自衛隊などの防災関係者が、みずから被災者となりながら、困難な状況の中で不眠不休の救援活動を続けてきてい
ることにつきましては皆さんも御承知のことだと思いますが、私が本会議で、初めての経験でもあり、早朝のことで若干の混乱があったと申し上げたのは、被災地のその当時の状況を申し上げたものでございまして、御指摘のような趣旨の異なる答弁を行ったものではございませんので、この際、誤解を解いていただきたいと思います。(拍手)
 次に、緊急災害対策本部の設置についてのお尋ねでございますが、災害対策基本法では、内閣総理大臣が災害緊急事態の布告を行うことができるとされており、その場合は緊急災害対策本部を設置することとされております。このような災害緊急事態の布告を発するかどうかを決めるに当たりまして、最大のポイントは、災害対策基本法に基づく緊急措置が果たして必要かどうかということでございます。
 この緊急措置は、国会が閉会中または衆議院が解散中であるなどの場合に、国会の議決を経ずして、内閣の権限と判断において、物資の統制、物価統制、金銭債務の支払い等について国民の私権の制限を含む非常時立法を行うことを可能とするものでございます。したがって、緊急措置をとるかどうかを判断するに当たりましては、国会の尊重、三権分立の観点からも、極めて慎重に対処すべきものでございます。こうした点を配慮いたしまして、全閣僚の責任で対応することの方が適切であると考えたものでございます。
 内閣を挙げ、緊急に、一体的かつ総合的に災害対策を推進できるようにしたところでございまして、私の発言は、こうした考え方に沿ったものでございますから、御指摘のような問題はないものと考えております。
 次に、今回の震災に関する私の責任についての御質問でありますが、今回の地震によりまして、五千三百人を超える犠牲者と未曾有の被害がもたらされたという結果につきましては、私自身もこれを重く厳しく受けとめているところでございます。しかしながら、政府に課せられました課題は、内閣を挙げて、引き続き被災者の救援対策と復旧・復興対策に全力を挙げて取り組むということでございまして、このことこそが、総理としての私に課せられた責任であると考えているところでございます。(拍手)
 次に、避難者の方々の食事についてのお尋ねでございますが、国としても、厚生省において、避難所ごとに実態を点検しながら、その対応策をすべて実施するよう指示しておるところでございますが、兵庫県は実情調査を開始したと聞いております。今後とも、被災者の方々に、温かく栄養面も配慮したより充実した食事が提供できるよう、地元自治体と緊密な連携をとりながら、効果的な対策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、復興についての基本的な考え方、哲学についての御質問でありますが、今回の大震災の復興に当たりましては、国と地方公共団体とが適切な役割分担のもとに地域住民の意向を尊重しながら協同して、阪神・淡路地域における生活の再建及び経済の復興を緊急に図るとともに、安全な地域づくりを緊急に推進し、もって活力ある関西圏の再生を実現することを基本理念として行うべきものであると考えております。有職者の方々による復興委員会の発足も、昨日、第一回会合を開いていただいたところでございますが、ここでの御議論も大いに尊重させていただきたいと存じます。
 次に、単なる原形復旧ではなく、耐震構造、防災対策をも念頭に置いての復旧に努めるべきとの御指摘でございますが、復興を考えるに当たりましては、安全性、快適性、便利性などの都市整備の諸課題のうち、とりわけ安全性の確保が基本的な課題と考えております。特に、建築物や道路橋などの公共施設の地震に対する安全性につきましては、専門家の英知を集め、被災原因を徹底的に究明しながら、災害に強い町づくりの方向に向けて必要な措置を講じてまいる所存でございます。
 次に、地元の復興計画策定の当初段階から積極的に支援を行うべきではないかとの御質問でございますが、兵庫県、神戸市においては、先日、それぞれ復興計画策定のための委員会を開催したところと聞いております。
 政府といたしましては、このような地元地方公共団体の復興対策を支援し、また、国として行うべき施策を推進するため、内閣総理大臣を本部長とする阪神・淡路復興対策本部の設置等を定めた法律案を、本日、閣議決定の上、国会に提出させていただいたところでございます。
 さらに、別途、今回の大震災の復興対策に関し大所高所から御意見をいただくため、兵庫県知事、神戸市長を含む七名の委員から構成された阪神・淡路復興委員会を設置いたしまして、先般も申し上げましたように、昨日、第一回会合を開催したところでございまして、今後とも、地元地方公共団体と一体になって復興に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 次に、阪神大震災復興会議の緊急アピールに対する見解についての御質問でありますが、被災地の復興に向けて関西経済人の総力を結集するとの決意を高く評価するとともに、あわせて出されております国に対する種々の要望につきましては、今後、政府といたしましても、復興対策を実施するに当たりまして、その要望の趣旨も十分に踏まえ適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、世界に向かって復興の道筋を明らかにせよとの御指摘でございますが、復興に当たりましては、地元の主体性を十分尊重しながら、国としてもできる限りのことをしてまいる決意でございます。このため、復興委員会や復興対策本部の設置、必要な法案や予算の提出ないしその準備をそれぞれ具体的に進めており、着々と実行に移してまいりたいと考えておりますので、皆さんの御理解と御協力をこの際お願い申し上げておきたいと存じます。
 次に、復興のための役割分担、財政的な措置などについてお尋ねがございましたが、復興に取り組むに当たりましては、地元の自治体の主体性を尊重しながら、国としても一体となって取り組んでまいりたいと考えております。復興本部は、このための総合調整を行うべく、各行政機関が実施する復興対策事業を十分調整してまいるつもりでございます。また、財政上の問題につきましても、財政当局ももちろん含めまして、十分な調整を行いながら、強力に復興に係る施策を推進してまいる所存でございます。
 また、法案の名称についてお尋ねがございましたが、今般国会に御審議をいただいておりまする
法案の名称は、阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律であります。これは、本法案の主な内容が、阪神・淡路地域の復興についての基本理念を明らかにし、この基本理念にのっとって国が法律上その他の措置を講ずること、阪神・淡路復興対策本部の設置及び組織について定めること等でございますが、本案の名称につきましては、この内容が明確に反映されるようにしたものでございます。この間の経緯についても御理解を賜りたいと存じます。
 なお、最後に、国会運営についての私に対する見解を求められましたが、国会でお決めになることでございまして、私がコメントする立場にないことについては御理解を賜りたいと存じます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣小里貞利君登壇〕

○国務大臣(小里貞利君) まず、法案の名称については、ただいま総理大臣から御答弁申し上げましたので、省略をいたします。
 次に、避難者の方々の食事の数は何人分か、さらに、食事は避難者の方々へ行き渡っているかというお尋ねでございましたが、ただいま総理大臣の方からも基本的な方針については御説明申し上げたとおりでございますが、御承知のとおり、炊き出し等の食事の給与などの実施は、お話のとおり迅速かつ的確に、しかも温かい気持ちで救助を図る意味からも、兵庫県においてもあらかじめ各市町に委任をいたしまして実施いたしておるところでございますが、私どもも、極めて肝要なことでございますから、細心の注意を払っておるところでございます。
 次でございますが、仮設住宅はいつまでにどれだけできるのか、そういうお尋ねでございますが、仮設住宅については、御承知のとおり約四万戸設置する計画を決定いたしまして、約三万戸を発注したところであります。そのうち、二月十五日現在、千三百八十三戸が完成し、順次入居いただいているところであります。今後の予定といたしましては、二月中に約六千戸が完成し、三月中には三万戸を完成させるべく最大限の努力を行っておるところであり、完成次第、順次入居予定となっております。残りの約一万戸については、速やかに関係機関と調整の上、用地を確保し、発注することといたしておるところでございます。
 次に、瓦れきの処理はいつまでにできるのかというお話でございますが、現在、被災地では、交通の支障等の生活に与える影響の大きいものや、倒壊の危険のあるものから順次処理をいたしておりますが、すべての瓦れきを処理するためには、不在者を含めた所有者の同意を得るのに相当の時間を要することが予想されるなど、現時点でその正確な見通しを示すことは困難であります。
 なお、被災状況により、短期に処理できる市町と長期間要する市町があるものと考えられますが、県が地元関係市町からの報告をまとめたところによりますと、処理をすべて終えるには、川西市など四市十町では一−六カ月かかる、あるいは尼崎市など三市では六カ月から一年、あるいは神戸市など三市では一年を超えるものと予測をいたしております。政府といたしましては、早急な処理が行われるよう、厚生省や建設省、警察庁など関係省庁と連携をとりまして、近隣府県の廃棄物処理業者に対し応援要請を行うなど、地元府県や市町を積極的に支援してまいる所存でございます。
 なおまた、電気、ガス、上下水道のライフライン回復についてのお話でございます。
 発災直後より、近隣を初め全国各地から多くの職員を派遣いただきまして、大変心強く感ずる次第でありますが、二月十六日までの状況を申し上げますと、水道、土木関係を初めとしてさまざまな分野で応援をいただいております。その数は、都道府県と市町村職員を合わせまして延べ九万七千八百六十人に上っております。また、支援職員の交代についても、各県の協力を得て順次行っているところであります。今後とも被災地のニーズに適宜適切に対処し、人的支援を進めてまいる所存でございます。
 次に、今回の災害の被害額をどのように認識しているかというお尋ねでございます。
 被害総額につきましては、今般、国土庁におきましで、現時点までに把握された被害状況をもとに取り急ぎのまとめをいたしました。概数推計を実施いたしました。これによりますと、阪神・淡路大震災による被害の総額は約九兆六千億円と推計されます。なお、この概算額は、今後、被害の詳細が判明するに伴って額の変動があり得ることを申し添えます。
 次に、春の選抜高校野球についてのお尋ねでございますが、この三月開催予定の第六十七回選抜高等学校野球大会については、このたびの阪神・淡路大震災による甲子園球場の被災の程度や同球場周辺の交通機関の復旧状況あるいは宿泊施設の確保状況、被災した方々のお気持ちなどをも考慮した上、本日開かれている運営委員会において検討がなされているものと存じます。私といたしましては、このような若人が集うスポーツ大会の開催は被災した地域住民の方々を勇気づける面もあると考えておりまして、現時点においては、開催時期の社会的状況や復旧状況などの諸条件を十分見きわめた上で、開催する方向で検討されることを期待申し上げております。
 次に、本法案によれば、復興対策本部は、各省庁間、地方公共団体等さまざまな総合調整を行うとされているが、財政面ではどうか、そういうお尋ねでございます。
 復興対策本部は、御承知のとおり、国の復興のための施策に関する総合調整をつかさどることとなっております。政府が一体となりまして、総合的、計画的に迅速な復興の推進が図れるよう全力を挙げてまいりたいと考えております。したがって、復興対策本部では、各行政機関が実施する復興対策事業を十分調整し、また、財政当局とも十分な連絡調整を行っていく考えでございます。
 次に、阪神・淡路地域に京都は入るのかどうか、こういうお尋ねでございますが、本法案に言う阪神・淡路地域とは、阪神・淡路大震災によって著しい被害を受けた地域を指し、これに京都の区域が含まれるかどうかについては、被害の態様に即しまして判断されることと考えております。
 次に、対策本部設置法であり、具体的な施策は他の法令にゆだねられることになるのかどうかという意味のお尋ねであったと思うのでございますが、先ほど総理大臣からもお話がございましたように、本法律案は、阪神・淡路大震災によって未曾有の被害を受けた阪神・淡路地域の復興を迅速
に推進するため、その復興についての基本理念を含む基本方針を定めたことは、先ほど申し上げたとおりであります。
 他の法令により講じられる具体的施策といたしましては、このことにつきましても先ほど申し上げたとおりでございますが、すなわち、中身におきましても若干申し上げたところでありますが、阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助等を定める法律案の検討も目下急いでいるところであります。その他多くの分野にわたって復興を進めるための措置についても検討を進め、必要なものについてはできる限り早急に積極的に成案を得まして、順次卸審議をお願い申し上げる予定でございます。(拍手)
    〔国務大臣亀井静香君登壇〕
○国務大臣(亀井静香君) お答えを申し上げます。
 申し上げるまでもなく、震災地の復興については民生の安定が第一でありますけれども、やはり交通機関の再建が喫緊の課題でございます。村山総理から、復旧ではなくて復興だ、そういう観点から全力を挙げるという強い御指示をいただきまして、現在強力に取り組んでおるところでありますが、JR、私鉄につきましては、東京理科大学の松本教授を長とする鉄道施設耐震構造検討委員会と緊密な連絡をとりながら現在工事を進めておるところでございまして、めどといたしましては、五月の連休あたりをめどにいたして、期待をいたしておるところでございます。
 港湾につきましては、百五十バースほとんど壊滅状態でございました。国際港としての機能は、もちろん国際港としての機能も今果たしていないわけでございますが、二年間によりましてこれを完全復興したい、このように考えております。これは、コンテナバース二十一のうち、七月時点までに八バースを一応臨時的な復旧をやりたい、このように考えておりますが、七年度内に三分の一程度を完全復興したい、このように考えております。
 さらに、フェリーにつきましては、七つのバースのうち四つを九月時点までに一応復興したい、残りも年度内に全面復興をしたい、このように考えております。残余のバースにつきましては、七年度内に半分程度これを復興したいと考えております。
 なお、先ほども申し上げましたように、ただ単なる復旧ではなくて、国際港としての機能強化をするという観点から、現在の段階、いろいろと検討しておりますが、例えば水深十五メートルから十六メートルのそうしたバースを新たに五つ建設もしたい、さらに、今後検討する中で機能強化のための努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私には四点のお尋ねがありました。
 まず第一に、フリーゾーンについてであります。
 神戸港地域につきましては、平成五年の三月に輸入・対内投資法に基づくFAZの地域に指定をいたしまして、航空及び海上貨物の荷さばき保管施設、冷蔵保管施設等の整備を推進してまいりました。さらに、FAZ地域における貿易関連施設につきましては、委員よく御承知のとおり、総合保税地域に許可されますと、輸入原材料を使用して製品を製造し出荷する場合に関税が免除をされますほか、同地域内に置いてあります間は関税が留保される等のメリットが生じるわけであります。通産省として、これらの制度の活用につきまして、FAZ計画を推進される御地元や関係省庁とも連絡をとりながら検討していきたいと考えているところであります。
 また、被災中小企業に対する支援策につきましては、既に公表いたしておりますように、激甚災害指定等により災害融資等に関する特別措置を講じてまいりました。さらに、二月九日には、政府系中小企業金融三機関によります低利融資の充実強化など資金調達の円滑化のための措置を含めまして、仮設工場、仮設店舗などの整備を促進するための中小企業事業団の無利子融資制度の創設など操業の早期再開の支援等の措置、こうした点で国としてとり得る最大限の措置をとりまして、過去の災害時より踏み込んだ内容の総合施策を早急に取りまとめて、発表させていただいたところであります。
 これらの諸措置を総合的に活用していただき、中小企業の方々の事業の立ち上げに寄与するものと期待しておりますが、今後とも、県あるいは市、関係団体の皆さんと連携をとりながら、対策の迅速な実施に努めてまいりたいと考えております。
 また、大企業の支援についてもお尋ねがございました。
 このたびの災害によりまして、大手企業におきましても、事業者発表によりますと、電力・ガスを初め、鉄鋼業、百貨店、スーパーなど、非常に大きな被害が生じておりまして、現在調査を行っているところでありますが、これらの災害が、被災地域のみならず他の地域へ及ぼす影響、他の分野の産業に及ぼす影響も懸念をいたしております。一日も早い復旧・復興を目指されるとともに、この災害が経済全体に悪影響を及ぼさないようにするために、金融及び税制上の措置を含めた具体的な支援策についての詰めを今急いでおります。
 最後に、APECについてお尋ねがございました。
 私どもは、昨年のボゴール宣言が広く認知をされました状況を考えましても、本年の大阪会合というものが、アジア・大平洋地域の首脳、閣僚が一同に集い、実りのある行動指針を取りまとめる場でありますだけに、大きな期待をかけておったところであります。
 今回、阪神・淡路大震災という事態の中で、今、関西経済圏に何か明るいものが欲しい、恐らく委員のお気持ちと我々の気持ちと変わるものではないと思います。このAPECの総会を成功させることができますなら、私は、それが大阪の名を世界に大きく知れ渡らせ、それが被災から復興に努力しておられるそれぞれの方々にも力強い夢を持っていただくきっかけにもなる、同時に関西が震災から復興に立ち向かっておる姿を世界にも知っていただく機会になると信じておりまして、全力を挙げて成功に努力をしてまいりたいと考えております。
 院におかれましても、どうぞ協力を賜りますよ
うに、この場をかりてお願いを申し上げます。(拍手)

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