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平成九年二月十九日

衆議院予算委員会集中質疑より

二階俊博代議士(衆議院予算委理事)の

質問と関係閣僚の答弁

 

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一、過疎対策について

二、高速道路の早期完成に向けての提言

三、地方鉄道の高速化

四、その後の阪和銀行問題

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一、過疎対策について

○小里委員長代理 次に、二階俊博君。発言を許可いたします。

〇二階委員 最初に、行政改革と地方分権についてお尋ねをいたします。

 このことは、既に橋本内閣の目玉の一つであり、総理自身が相当な決意を持って取り組んでおられます。行政改革を断行する上で、地方分権は極めて重要なウェイトを持つ課題だと考えております。今年は、地方自治法施行五十周年に当たる年でもあります。

 まず、自治大臣にお尋ねしますが、地方分権については地方分権推進委員会の第一次勧告が出されておるところでありますが、地方分権の定義と、地方分権にどのようなことを期待しているのか、将来どのような姿を描いておられるのか、まずお示しを願いたいと思います。

 

○白川自治大臣 二階委員のお尋ねでございますが、私は、正直申しまして地方自治というようなことについて深い造詣があるわけではありませんので、お答えできるかどうかわかりませんが、おか目八目ということもありますので、今、地方分権という問題を取り巻く問題について、折角のお尋ねでございますので、多分、後の質問、私のところも過疎地、その他いっばいありますので申し上げます。

 地方分権という言葉は、多分、中央集権との関係で出てきた言葉なのではないかなと思います。余りにも中央集権化して、もちろんそれは、明治以来百三十年間に大きな成果を上げたわけでございます。まず第一に、我が国の独立を守ったというのが、明治維新の方々の大きなやはり功績だろうと思います。そして、戦争を起こしたのは逆に中央集権かもわかりませんが、しかし、ゼロから、廃墟からの出発は、紛れもなく中央集権の強いリーダーシップのもとで、私は戦後の復興は行えたと思っております。

 しかし、百三十年中央集権ということでやってきて、いい面も多く出てきたけれども、一方では、明らかに中央集権のマイナスの面も出てきた。そして、日本を本当に、もう一回豊かな、そして個性のある、そして本当の意味で強い国にするためには、もう一回それぞれの地方が力を持ち、底上げをする必要があるという中で、自治関係者が長い間もともと要求してきたものでありますが、中央集権というものの中で考えてきた人たちも中央集権というものの限界を見て、これからはもう一回地方分権の時代が来た、こういう流れなのではないのかな。そして、たまたま行政改革というものもしなきやならないという中で、官から民へということと、中央から地方へと橋本総理がキーワードを出したわけでございますが、それとも合致する。

 こういう中で、私は、ことしの夏までに出される最終答申の中で、二十一世紀に向けた地方自治のありようについては、少なくともきちんとしたコンセプトが出され、そして、二、三年はかかるかと思いますが、それに向けてのしつかりとした法的整備、財政的な整備をして、少なくとも二十一世紀の前半は地方中心の時代をつくっていくというのが全体として今国民的なコンセンサスになりつつあるんじゃないだろうか、このように私は承知をいたしております。

 〇二階委員 総理にお尋ねをいたします。

 先ほど、申し上げましたとおり、ことしは、地方自治法施行五十周年に当たるわけでありますが、総理自身は、今後、地方自治のあり方、国土の均衡ある発展と過密過疎の問題等についてどのような問題意識を持っておられるか、お答えを願いたいと思います。

 

○橋本内閣総理大臣 まず第一に、委員のお尋ねにお答えをするとすれば、第二次世界大戦後の主として五十年。しかし、それ以前の日本の行政というものが、今自治大臣からもお答えをしておりましたように中央集権の形ですべての仕事が進んできた。そして、しかし、その時代において、実は内務省という役所は相当な権限を持ち、その範囲内における地方の独自性の発揮というものは、第二次世界大戦前の日本というのは比較的うまくいっていた時期があるんじゃないだろうか、私は、そんな思いが一片でいたします。

 ところが、その後、敗戦後の荒廃の中から立ち上がっていくプロセスにおいて、まさにそれが資金的にも資材の面でも、さまざまな点での制約がある中でありましたから、まさに中央集権という手法の中で国土の再編整備が行われてきた。結果として、大変立派になった日本といいながら、気がついてみますと国土軸が−本、太平洋ベルト地帯と言われる状況にある、あるいは東京一極集中と言われる現象が生じる。てそして、それに気づきながら、対応策を考える視点もまた中央の権限の中での発想でありましたから、今日までの間に、ある場合は過密の解消、ある意味では過疎の解消、いろいろなアイデアが出されてきましたけれども、結果的には必ずしもバランスのとれた国土づくりができなかった。

 私が地方分権というものを考え始めたきっかけは、むしろその過密と過疎の解消というものをどうするかという思いでありました。こんなお話を申し上げて恐縮でありますけれども、私の郷里は岡山県でありますが、その岡山県でも、これは備前、備中、美作という昔の国々の集まりでありすが、その中においてもまた地域格差が生じた。そして、さまざまな工夫はいたしましたけれども、必ずしもそれが問題の改善につながってはいないというまず反省がございます。そうすると、むしろ国が抱えている権限、その中でできるだけ多くの部分を地方にお渡しをし、地方自身がみずからの地域社会における青写真を描くことができたらどう変わるだろう、私自身の発想のもとはそんなところからでありました。

 そして、今現実に地方分権推進委が第一次の勧告の中で、長い間の論争の、国と地方という関係の中の論争点でありました機関委任事務の廃止という大きな方向づけを打ち出されました。そして、既に具体的な内容も一部ちょうだいをしております。これは、私は非常に大きな分権委からの勧告であると思いますし、その勧告を現実のものとすべく、既に私どもは準備に入り、事務を進めております。そして、地方分権推進計画にこれはきちんと位置づけていきますけれども、前倒せるものはできるだけ前倒していきたい、一方ではそうした指示も行っております。言いかえるなら、分権を進めることによって、それぞれの地域社会がみずからの地域における青写真をみずからの責任において描ける、これが一番大切なことではなかろうか、私はそう考えてまいりました。

 

〇二階委員 現在、過疎の市町村の数は、御承知のとおり、千二百八市町村、全国の市町村の数は三千二百三十二、このうち過疎地の面積は十八万平方キロメートルであり、我が国全体の四七・七%、早く言えば、日本の国の約半分の面積を過疎市町村が占めていることは御承知のとおりであります。過疎の市町村の数は、十年前千百五十八でした。五年前千百六十六でした。現在もほとんど変わらない、まだふえておるわけであります。もちろん、国、特に国土庁や自治省を初め、過疎地域活性化特別措置法を、議員立法でつくり、それぞれ御努力をされていること、さらに、これらの地域を抱える都道府県、また関係の市町村においては涙ぐましいような努力を続けておられることも、私も承知をいたしております。

 そこで、担当大臣であります国土庁長官に、今後の過疎対策と今言われております地方分権、今、総理からお答えがございましたので、ごく簡単で結構ですが、御答弁を願いたいと思います。

 

○伊藤国土庁長官 過疎と過密をどう解消するかというのは、歴代の内閣の極めて重要なテーマでございました。池田内閣の時代から、地方に産業を持っていこう、それをさらに大規模にしていこう、若者たちが定着をするためには、そこには文化がなければだめだ、いろいろな、定住圏構想であるとかあるいは田園都市構想であるとか、もちろん、その中にはあの大きな列島改造もございました。昨今ではふるさと創生、そうしたことを経過してまいりましたが、今委員御指摘のように、依然として三千二百三十二市町村のうち千二百八市町村は過疎の地域です。

 実は、最近国土庁が、間もなく、夏前を目途にして、ポスト四全総、我々は五全総と言わずに、新しい二十一世紀のある意味では夢とロマンをかけた日本の魅力のある国土構造の転換を図る、そういう意味で、新しい全国総合開発計画を策定中であります。私は今、私たちのこの小さな日本列島でありますが、さまざまな地域があります。離島、半島あるいは豪雪地帯、特殊土壌地帯、そうしたいろいろな地域にそれぞれの、これまで議員立法でいろいろな御努力をいただいてきたわけですが、国が余り財政上一つ一つ細かくしないで、地域に、今総理や自治大臣からも御発言ありましたように、もっと個性的でそして独創的な地域の町や村をつくる、そぅいう意味では、やはり財政、予算というものをもっと自由にそれぞれの地域が使える、そういう仕組みも必要なのではないか。これは議員立法で、それぞれがそれぞれの歴史を経てきたことでありますから、我々がその法案一つ一つに対してということではなくて、国政全体として、そぅした大きな国土行政の見直しのときに財政もそれに見合った転換をしていかなければならないのではないか、そういう認識でこれからも国土庁としては取り組んでまいりたいと思っております。

 

〇二階委員 国土庁長官の意欲のある御答弁でございましたが、何せ日本の国内において七百八十万人の人口を持っておる過疎地でありますが、これがまた全体の人口からしますと六・二%、わずか六%で国土面積の半分を占めておるというところに大きな問題があるわけであります。

 私は、残念ながら、今日までの過疎対策を今後十年二十年仮に続けたとしましても、過疎市町村が幾つ卒業して過疎脱却の宣言をすることができるか。この問題をこのままにしておいて地方分権等をどうして進められるのか。国土の均衡ある発展、これはもういつも白書などにも書かれておりますし、国是のように言われてまいりましたが、これがどうして均衡ある発展の姿なのだろうか、まず国土庁長官に承りたいと思います。あわせて、先ほどから総理からもお話があり、それぞれ御答弁がございましたが、地方分権推進委員会の第一次勧告が出されました。この中で地方分権推進委員会の分権の論議の対象は人口五万人以上の都市だということを、昨年暮れ、地方分権推進委員会の第一次勧告を発表した際に諸井委員長が述べられたと言われる。二月九日の朝日新聞には、分権推進委員の「過疎地切り捨てが見え隠れする。」、「弱い財政に配慮の姿勢見えず」、「格差是正は撤退」、こう書かれているわけであります。新聞の評価はともかくとしまして、この勧告の中に、過疎地ということに対して目につくところは三十六ページに一カ所、「地域交通」ということの欄に記述されておるわけであります。これは地方公共団体がバスの事業の許可を求める際にこれをスムーズにやるようにしようということでありますが、これは全く過疎の問題とは現実離れをした意見であります。

 時間がありませんから多くを述べませんが、過疎の市町村がバスの事業の許可を申請してくるというようなことなんかほとんど考えられないわけであります。分権論に期待をかけております地方はこれでは助からない。この点に、つきまして国土庁長官の御答弁をお願いしたいと思います。

 

○伊藤国土庁長官 過疎と過密を解消していくためにはいろいろな考え方があると思いますが、私たち、私自身は個人的に申し上げると東京にいるわけですから、なぜ東京にみんなが集まるか、いろいろな理由があると思いますが、やはりそこには、さまざまなビジネスチャンスがある。しかし、最近私どもは新しい国土行政を進める中で、余り過疎地域と言わないで「多自然居住地域」と。人々は都市にそうしたチャンスを求めますけれども、やはり豊かな自然の中にどう共生して生きていくか。時代が変わってそうした人々の暮らしにも変化が出てきているわけでありまして、そうした多自然居住地域にも人々が魅力を持って住めるような、そのためには、今、御指摘をいろいろいただいておりますようなアクセスの問題あるいは職現の問題、若者たちの文化の問題、そうしたことを総合的に考えていかなければならないと思っております。

 少し数字で申し上げて恐縮でありますが、平成七年の国勢調査によりますと、平成二年から五年間の過疎地域の市町村の人口減少率は四・七%、その前五年間の減少率五・八%に比べて若干小さくなっております。 平成二年から五年間でいわゆる人口が増加をした市町村も百十市町村ございます。その反面では、人口減少五%以上の団体が五百九十六となっつているわけでありまして、人口の減少率は鈍化してきているわけでありますけれども、高齢化の進行あるいほ若者たちの流出など、そうした状況が見られるわけでありまして、冒頭申し上げましたように、魅力のある自立的な地方都市を、どうつくっていくかということが大きな課題だというふうに思っております。

 そのためには、若い世代の人たちにも魅力のあるような、地域に対して、先ほど申し上げましたけれども、余り国が一つ一つ細かく地方の財政についていろいろ指定をするというよりは、財源をできる限り地方に自由に任せる、そういう仕組みに転換をしていく必要がある。そのためには、先ほど申し上げたようなさまざまな議員立法もございますので、私たちは今後できる限り調整費など、そうした方向で、予算編成でもそうしたことに、新しい時代に向かっていかなければならないのではないか、そういう認識で取り組んでまいりたいと思っております。

 

〇二階委員 ちょっと私の質問とは答弁がずれておるわけでございますが、私がお尋ねしたいのは、第一次勧告を発表された際に、分権の論議の対象は人口五万人以上の都市だということになると、あとは切り捨てになるわけですね。それでは、今、分権、分権あるいは行政改革を言っている際に、国を挙げて協力する、すべての国民が協力するという体制でなくてはならない際に、そういうものを委員長の権限で排除しておるということに対して指摘をしておきたいと思います。

 なお、この地方分権推進委員会の第一次勧告でありますが、人、いろいろな新しい名称で、過疎と言わないでいこう、なんていうお話がございましたが、呼び方は何でもいいんです。呼び方は何でもいいんですが、これだけの書類の中でただ一行だけ、今申し上げたバスの認可をどうしようか、こういうことを言う人たちに任せておいて地方分権推進委員会からこの次、立派な答申が来るかどうか、不安になつてきました。

 私は、この委員の皆さんには失礼でございますが、過疎の問題なんか殆ど知っておる人はいないのじゃないかと思うのですが、このことにつきましても今後十分御配慮をいただくようにお願いして、次に進ませていただきたいと思います。

 農林水産大臣にお尋ねしたいと思います。

過疎問題というのは、一つは農業にもありますし、森林にございます。そして、水産もまた然りであります。これらの問題につきまして、今後農林水産大臣としてどのような方針で取り組まれるか、平成九年度の予算等につきましてもお示しをいただきたいと思います。

  

○藤本農林水産大臣 先ほどから御指摘のように、過疎地域は全体で約五割、また国土保全であるとか自然環境の保全、これに大きな役割を果たしておりますし、御指摘がございました過密過疎の関係、また都市と農村の関係、非常に政治上大きな問題も抱えております。

 私は個人的に、国民の皆さん方が生活する場所が仮に異なりましても、行政から受けるサービスというのは同じでなきゃならぬ、これが政治の基本的な責任であるというふうに思っておりまして、そういう点では、過疎問題に非常に御熱心に取り組んでおられる委員につきましては、これからもひとつよろしくお願いいたしたいと思います。

 それで、先ほどの御指摘の問題につきましては、この過疎地域の活性化のために、農林水産省としては農林水産事業の振興を基本として、そして関係省庁と、建設省であるとか、文部省であるとか、厚生省であるとか、郵政省であるとか、こういう省庁と連携を図りながら、いろいろな施策を今まで推進してきた、こういうことでございます。

 平成九年度のことにつきましては、特に新しい制度といたしまして、農業、林業、水産業、この事業がばらばらである、こういう御批判もあったわけでございまして、これらの三つの事業のうちで二つ以上の事業を一体にして、美しい活力のある村づくりを図っていこう、これを全国五十カ所指定をするということで、新しくスタートをいたすことにいたしました。これは、五年間続くわけでございまして、大いに我々としては期待をいたしております。

 それから、やはり都市と過疎地域との関係、一番大事なことはアクセスだと思うわけでございまして、道路の関係の整備は進めていかなければならぬと考えております。

 それから三番目には、やはり過疎地域の生活環境の整備ということが非常に大事でございますので、集落排水事業であるとか、それから上水道の問題であるとか、そういう点についてもこれから平成九年度の予算で力を入れていく、こういうことを考えておるわけでございまして、これからも懸命に努力をいたしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

〇二階委員 郵政大臣にお尋ねをいたします。

 携帯電話、二千万台、自動車電話は二十万台と言われているときでありますが、過疎地がこれらの通信文明から疎外されていいわけではありません。移動通信が可能になるように、今日までも郵政省でも御努力をいただいておりますが、一層この方向で進んでいただきたい。

 山村や漁村の若者たちも、どんな山奥でも海辺でも、みんなそうした新しい通信接術の開発に伴った利益をお互いに共有しようという希望を持っております。大臣の見解を伺いたいと思います。

 

○堀之内郵政大臣 ただいま移動通信電話の問題でお尋ねいただきましたが、実は、私も昨年の八月、和歌山県をプライベート旅行いたしました。携帯電話を持っていきましたが、ほとんど使えなく、ちょうど那智勝浦町に一晩泊まったところでありましたが、我が宮崎県とほとんど変わらない山村だなということを痛切に感じました。

 調べてみますと、二階委員の選挙区は和歌山県の七割が選挙区ということでありますから、本当に、(二階委員「七割五分」と呼ぶ)七割五分ですか、大変な、これは宮崎県以上の山村だ、こういうように痛切に感じます。

 今、御指摘のように、携帯電話は爆発的な普及をしてまいりましたが、せっかく、持っていった電話も使えないようなぐらいで、この点は私どもも痛切に、山村がやはり有効な通信サービスを受けられるようにということで、郵政省としては平成三年度からこの中継基地の建設について補助事業を実施いたしておるところであります。平成八年度末で大体百十カ所ぐらい、わずかでありますが、整備が終わる予定であります。幸い平成九年度におきましては、財政当局も非常に理解を示していただきまして、ちょうど昨年の倍の予算を認めていただきました。したがって、今まで百十カ所かかつたのが、来年度は、この予算が認めていただければ、五十カ所以上になるんじゃないか、こういうように思っております。

 今、この携帯電話が利用できない市町村が、先ほどからいろいろ過疎地の問題が出ましたが、約二〇%、六百四、五十町村がこの携帯電話が利用できないというような状況でございます。したがって、郵政省としては約一〇%、二〇〇〇年までに半分に減らすということを目標に今努力をいたしておるところであります。

 

〇二階委員 今、堀之内郵政大臣、わざわざ南紀の方までお見えいただきまして、ありがとうございます。今、御答弁の中にもございましたが、私はもうここまで進んできたわけですから、もう一息頑張って、二十一世紀の到来まで、日本のあらゆる地域でこのことが完成できるように、そう大した予算が必要なわけではないわけですから、そのことを心からお願いをしておきたいと思います。

 次に、道路局長にお尋ねをします。

 さきの国幹審におきまして、基本計画区間、整備計画区間、それぞれ格上げが決定されました。この整備計画区間が供用開始に至るまで、事業費でどの程度、工事期間として何年ぐらい必要とされるか、基本計画についても同じように、大体で結構でございますから、御方針をお示し願いたいと思います。

 

○佐藤(信彦)政府委員  お答えいたします。

 先生おっしゃられたように、昨年末に第三十回の国幹審が開かれまして、高速自動車国道の計画的な整備を図るといつた観点から、新たに整備計画区間につきましては三十六区間、九百八十二キロが議決されたところでございます。

 整備計画区間の事業費につきましては、八兆六千億を見込んでいるところでございます。

 この整備計画の決定から供用までに要する期間でございますが、これもその時期時期の情勢等にいろいろなことがございますが、事業だけのことを考えますと、その事業の地元におきます調整状況とか、それから用地買収等地元の御協力の度合いによりまして変わってきますが、近年の実績といたしましては、整備計画決定から施行命令までがおおむね二、三年、それから施行命令から供用までの期間がおおむね十年から十二年程を要しているようでございます。

 それから、新たな基本計画区間でございますが、これも二十五区間、八百八十六キロが議決されたところでございます。

 この基本計画区間は、御存じのように、整備計画に至るまでのその前の段階の基本計画でございますので、この基本計画が出た区間につきましては、整備計画を早く出せるよう、事業の投資効果とか、それからルートもまだ決まっておりませんので、ルートとか構造に関する調査とか環境に対する調査といったことを進めておきまして、早く整備計画を出し、さらに現在、二十一世紀初頭までに整備を進めるといったことで、なるべく早くということで進めているところでございます。

 

〇二階委員 大蔵大臣もこの国幹審の有力なメンバーであり、もちろん橋本総理が会長でありますが、今、それぞれ整備計画、基本計画をこの国幹審でお決めになったわけでありますが、ただいまの建設省当局の御答弁について、大蔵大臣としての見解といいますか、所感をお願いしたいと思います。

 

〇三塚大蔵大臣 国幹審で決定になりました整備、基本計画、そのとおりであります。同時に、政府財政方針といたしまして、平成九年度予算編成に当たりましては、めり張りをつけたわけであります。経済だけではなく、地域のために、また国民生活の上からとりまして重要な公共事業とはと、こういう点でこれは橋本首相からの指示で、高規格道路についてはその収益性も勘案をしながら重点的に取り急ぐべきである、こういうことに相なっております。

 今後、所要の調査が行われた後、施行命令についての検討が行われ、順次整備が図られるものと、ただいまの発言のとおりであります。厳しい財政事情ではごさいますが、適正な料金水準のもとで採算性が確保できるよう、引き続き必要な検討をしていかなければならぬと思っております。

 

〇二階委員 何も国が打ち出の小づちを持っておるというふうな感じは当然国民もないわけでありまして、利用者負担を導入して行う有料道路制度というのはすばらしい発想だと思っております。今日まで日本経済を支えてきた、発展に果たした役割というのは、私は今日までの関係者の御努力を高く評価したいと思います。

 財政が四苦八苦しているところへ、先般、今大蔵大臣からも御答弁がありましたように、国幹審で新たな整備計画、新たな基本計画が策定されたわけであります。建設省はまた、財政困難の折だけに大変御苦労が多いわけでありますが、私は国土の均衡ある発展やあるいは過疎対策にも思いをはせるときに、高速道路は極めて有効な手段であるというように考えております。しかし、今料金を上げることもなかなか難しい。公共投資基本計画を実質減額の方針を政府は固められたようでありますが、しかし、こうした計画は先へ進めなくてはならない。今、大蔵大臣の御答弁にもありましたとおりであります。

二、高速道路の早期完成に向けての提言

 私は、この際、建設を急ぐ路線については、地元が建設費の二割ぐらい負担する道を開いてはいかがかと思っております。二割というと、ちょうど用地費相当額であろうと思います。有料道路制度ができて今日まで二十年も三十年も待っていた地域が、今道路局長の御答弁によりますと、十五年かどう考えても二十年近くかかるのではないかというふうなことでありますが、今から二十年待てというのじゃなくて、もう二十年、三十年前から待っておるわけですから、これでは私は政治にはならぬのじゃないかというふうに考えるわけであります。やや気の遠くなるような話をお伺いしているような気がしてなりません。

 ここで、何らか知恵を出す必要がある。私は、今申し上げたように、建設を急ぐ路線については、特急料金をちょうだいする。せめて用地費だけは地元で準備する。先に高速道路ができたところは地元負担なんかなかったではないかという議論も当然あるでしょうが、私は、そんなぐずぐずしたことを言っておっても二十年も三十年も先になる。今まで二十年も三十年も待ってきた。この問題の解決の方法を見いださなければ、財政がどうだとか交通量がどうだとかという理屈を並べただけで国民は納得しない。地域住民は少なくとも納得しない。このことに対して、道路局長の御答弁をお願いします。

 

〇佐藤(信彦)政府委員 高速道路の整備につきましては、二十一世紀初頭までに一万一千五百二十キロといったことを目指して進めておりますが、現在六千キロをちょっと超えたところでございます。整備の状況はまだ道半ばといったところでございまして、そういったことで高速道路の整備はもともと国みずからが整備するといった観点から行ってきておりますが、これまでも地元の地方公共団体におかれまして、インターチェンジの取りつけ道路、それから工事用道路とか、それから側道の整備といったことなどにつきまして、一定の御支援をいただいているケースは幾つかございます。しかしながら、道路本体でございますが、こういったものにつきましてはまだ現在のところございません。

 そういったことで、一昨年の十一月に道路審議会の中間答申におきまして、こういった道路の本体の一部につきましても、地方から直接の御支援をいただけるようなことができないかといったようなことも、今後の検討課題といたしましてその是非を含めて広範囲の議論が必要といった提言をいただいております。そういったことで建設省といたしましても、地方の御意見等を十分に聴取させていただいた上で検討を進めていきたいというふうに思っております。

 

〇二階委員 今申し上げた本体部分の件でありますが、私はこれには法律の改正も必要であろうかと思います。あわせて建設省において御検討をお願いしておきたいと思います。

 次に、厚生大臣にお尋ねをいたします。

 過疎地は都市に比べて高齢化が一層進んでおる、これも問題であります。若者の定着も少ない。それだけにお年寄りの率が多いわけでありますが、お年寄りは特に健康の問題を心配しております。病院や福祉施設の充実を求めておるわけですが、これは難しいことでありますが、今では都市と同じようなレベル、同じような水準のそうした病院施設であるとか福祉を希望しております。したがって、問題は極めて深刻であると思っております。ここに改めて福祉が問い直されようとしております。厚生大臣は、五年先、十年先を見据えて、地域医療や福祉の格差是正についていかなるお考えを持っているか、お尋ねをいたしたいと思います。

 

○小泉厚生大臣 各地域の医療、福祉を充実させ、また整備していくということは、我々も重要だと認識しております。医療法では、各都道府県ごとに医療計画を定めて、少なくとも五年ごとには見直すことにしているということで地域の整備を進めているところでありますけれども、僻地保健医療対策として昭和三十一年度からこの計画を策定していますが、この平成八年度からは新たに五カ年にわたる第八次僻地保健医療計画を策定して、今後とも過疎地、僻地における医療計画を進めていきたい、そう考えております。

 さらに、高齢者保健福祉サービスの整備においては、平成十一年度末までの整備目標を定めた新ゴールドプランを着実に推進することによって、全国の地方公共団体がそれぞれの地域の事情を考えながらこの福祉計画の達成を進めていますから、その計画を厚生省としても支援していきたい、そう思っております。

 

〇二階委員 全国の地方公共団体と相協力してという大臣のお考えであろうと思いますが、全国の、特に過疎地の市町村長の皆さんは、毎日のようにそれぞれの地域のお年寄りと接しておるわけであります。そして、病院がどうだ、福祉がどうだということを毎日責められておるのですが、この人たちはまだ分権が進んでおりませんから、手がないわけであります。どうぞ今、厚生大臣が御答弁になりましたようなことを積極的に御推進をいただくように、一層の御指導をお願いしておきたいと思います。

三、地方鉄道の高速化

 次に、運輸大臣にお尋ねをします。

新幹線が今日の日本の経済の発展に果たした役割、さらにこれから果たそうという役割は、先ほど申し上げました高速道路とともに極めて大きいと思っております。しかし、財源の問題等で、当委員会におきましても運輸大臣は連日、大変御苦労をされている。しかし、まだまだ私たちの国は交通インフラの整備はおくれている。空港にしても港湾にしても、世界の中の日本などと威張れる状況ではない。したがって、やるべものはやる、国の将来に必要のあるものは、財源問題をきちっと整理しながら毅然とした姿勢で取り組むことが大切だと思いますが、運輸大臣の見解と決意を改めてお伺いしたいと思います。

 

○古賀運輸大臣 大変心強い救助を賜りまして、心強く思っております。

 先生御指摘いただきましたように、新幹線の我が国の経済の発展に果たした役割等につきましては,大変大きなものがあろうと思っております。運輸省といたしましても、御承知のとおり、既着工区間の三線五区間、着実にその整備、推進をさせていただいているところでございます。また、お触れいただきました整備新幹線の未着工区間につきましては、昨年暮れの政府・与党の合意に基づきまして、それぞれ整備区間におきまして、収支採算性の見通し、JRの貸付料等の負担の問題、また並行在来線の経営分離によります地方公共団体との同意の問題、そしてまたJRの同意等、こうした基本的な条件を確認しました上で適切に処理してまいりたい。

 今御指摘いただきましたように、国土の均衡ある発展それから地域の活性化、この整備新幹線に寄せられる期待は極めて大きいというふうに私も認識いたしております。

 

〇二階委員 私は、この新幹線問題で、新幹線が既に開通している地域、つまり県はどれだけあるか調べてみましたら、二十一県あります。これから建設に向かい、やがて開通、開業が待たれている地域が十県、そして新幹線とは全く無関係の地域が十六県ございます。私はかって当委員会で、高度成長の波に乗って発展している日本の地域とODAすら必要とするような日本の地域,日本が二つあるような気がしてならないということを申し上げたことがあります。私は今、今日、新幹線が走っている地域、これから走ろうとする地域、ほとんど期待が持てない地域、日本を三つに分けて、それぞれの開発等については、メニューを三点提示しなければ、まさに均衡ある発展にならないのではないか。

 新幹線が走っている地域の方々、これは議員だけではなくて一般の国民や有識者と言われる人たちも含めてでありますが、ほかの地域の新幹線はむだ遣いでもしようとしているような発言が、報道がしばしばなされるわけであります。しかし、将来においても新幹線とは全く無関係な地域、ただ国土の均衡ある発展、地域格差の是正等、キャッチフレーズだけは並べていただいておるわけですが、私は、これだけでは問題の解決にならない。運輸大臣として、今の新幹線の問題で頭を悩まされておるところへ新たな問題を投げかけるようでありますが、地方鉄道、つまり新幹線がもう将来とも、永遠とは言いません、永遠とは言いませんが、ここ当分の間、当分の間というか、三十年、もっと先まででしょうが、新幹線の期待が持てないというような地域には地方鉄道の高速化、在来線と新幹線直通運転等について、既に運輸省でも研究、検討されていることと思いますが、大臣の御見解を承りたいと思います。

 

○古賀運輸大臣 確かに、新幹線が走っているところ、これから走ろうとするところ、またその計画のない地域、二階先生の地元もまさにこの新幹線の期待の薄い十六県の一つではないかなというふうに思います。それだけに鉄道の高速化という問題も、運輸省としては真剣に考えていかなければいけない問題だろう、というふうに思っております。

 鉄道の高速化につきましては、しかし、大事なことは、これからの輸送動向がどうなるだろうか、また鉄道の高速化に、投資額というのは莫大になるわけでございますので、その投資の採算性はどうなんだろうか、こういったことは、当然、最初に考えていかなければいけない問題だろうというふうに思います。

 経営主体であります鉄道事業者、そして、今おっしやっているように、国土が均衡ある発展、地域格差を直していくという意味では、何といっても地方の公共団体の方々の熱意、そういったことの御協議というものをこれからいろいろとくみ上げていく中で検討していく問題であるのではないかなというような気がいたします。

 ただ、鉄道の高速化につきましても、運輸省といたしまして、先生もよく御存じでございますけれども、努力をいたしております。例えば補助制度だとかそれから鉄道整備基金の無利子貸付制度を活用するとかということで、具体的に、山形ミニ新幹線だとか秋田のミニ新幹線だとか、新幹線に直通運転化を図っていくだとか、それから往来線の高速化というものには大変努力を重ねてきているところでございます。

さらに、先生の御指摘をいただきました観点を十分踏まえまして、鉄道の高速化、そして質の向上に全力を尽くしてまいりたいと思いますので、御支援のほどよろしくお願いいたしておきます。

 

〇二階委員 新幹線を語る際、私たちは例の二十八兆円に及ぶ国鉄の長期債務の問題が何よりも重要な認題であるということを認識しなければならないと思います。しかし、このような課題を先送りするばかりで、重要問題に対する政治の決断、国民の決断を先送りさせてはならないということであります。このまま放置しておくならば借金は雪だるまのように膨らんで、清算事業団の資産の売却等は焼け石に水になりかねない。国鉄債務は、創意工夫を重ねることが重要であることは当然でありますが、国全体でこの債務を担っていく以外に道はないのではないか。政治の決断が迫られておると思うわけであります。

 政府は、速やかに解決の道筋を明らかにすることが重要でありますが、この際、与野党が協力して対策を講ずべきだと考えておりますが、運輸大臣の国鉄債務に関する御方針をお尋ねしたいと思います。

 

○古賀運輸大臣 国鉄の長期債務の問題は、国鉄改革総仕上げという意味で、極めて重要なことだというふうに認識をいたしております。特に、これ以上国鉄長期債務を増やしてはいけない、御指摘をいただいたとおりだと思います。

 政府といたしましては、御承知のとおり、昨年暮れの閣議決定におきまして、国鉄の長期債務の抜本的な処理を、平成十年度より実施するということを決めさせていただきました。今御指摘いただいておりますように、非常に大きな問題であります。国民の皆様方の理解をいただかなければいけない問題であります。国民の幅広いコンセンサスを得る処理策を十年から抜本的に実施していくために九年中にその成案を得たいということで、この二点についての閣議決定をさせていただいたところでございます。これからそれぞれの機関の中で、また多くの方々の御意見を聞きながら、九年中の成案を得るべく努力をしてまいりたいと思っております。

 

〇二階委員 小里議員、ちょうどお隣でございますが、先般、産経新聞を見ておりますと、新幹線問題について極めて積極的な問題の提起を行っておられます。一つの見識だということで、敬意を持って拝読をさせていただきました。

 総理及び運輸大臣はこのことは当然ごらんになっておられると思いますが、その所感を、一言で結構ですからお尋ねをいたしたいと思います。

 

○古賀運輸大臣 私も、小里先生を前にして恐縮ですが、読ませていただきました。そして、いろいろな角度からこの整備新幹線の問題に触れていただいております。

例えば、この委員会の中で御議論をいただいている、財政上、今、財政構造改革元年というときに、この整備新幹線の財源というものがどうなっているのかという観点、それから、今後ますます高速交通ネットワークを整備していく中での整備新幹線の特性、それは,安全性の面から、また正確性の面から、環境の面から、そして大量輸送という面から、きめ細かく実はお示しをいただいております。また一方では、エネルギーの問題にも触れていただいております。そして、何よりも大切なことは、日本の国土の均衡ある発展、地域の格差、そして、次の世代に何を残すべきかということを最後に触れていただいております。大変、私は意味の深い提言だということで読ませていただいたところでございます。

 

○橋本内閣総理大臣 私もこの「問題提起」という小里さんの論文は見せていただきました。そして、これ自体は日ごろからお互いに議論をしております中身ですから、この文章そのものについて、云々ということではありません。ただ、この中で、提起されている点.で、従来余り議論にならなかった二つの点について、私は、特に触れさせていただきたいと思います。

 ちょうど三塚大蔵大臣、私の前任の運輸大臣でありまして、国鉄を分割された民営化するそのとき、三塚さんからバトンを受け継いで私は法案の審議の責任をとりました。そして、この案をまとめます段階、お互いに、力を合わせてきたわけでありますけれども、今のJRの形態をとるそのポイントが、一つは鉄道輸送というものの将来の役割は何だという議論にあったということでありまして、都市部における通勤通学輸送、これは鉄道が非常に大きな役割を果たす、同時に、中距離都市間の輸送というものについての鉄道の役割、これが非常に大きなものだというのが当時の結論でありました。恐らく今は道路の発達で多少数字は変わってきているだろうとは思いますけれども、当時、二百キロまでの間の人的輸送は自動車が強いが、だんだん二百キロに近づいてくるに従って鉄道と自動車輸送の差が減り、大体二百キロを分岐点として七百五十キロぐらいまでの都市間輸送は圧倒的な鉄道の役割、そして、その七百五十キロから千キロの間ぐらいで航空機との競争が激化し、千キロを超えると航空機による輸送というものが非常に大きな数値になる.そういった意味での国土の総合的な交通体系を考える上での鉄道の役割というのが、当時、大きな論点の一つでありました。

 さらに、これは国会で一度私が御答弁を申し上げて、むしろ、しかられたことがございますけれども、一昨年の阪神・淡路大震災の中から得た教訓の一つとして、国土軸の複数化、複線化というものが将来の日本を考えるときに絶対に必要であり、その選択肢の中には、鉄道も高速自動車網も、さらには港湾、飛行場というものを含め、その関連する地域の住民の選択で選んでいかなければならないが、複数の国土軸の必要性というものは否定できない、そして、その中における、長い目で見たときに、環境等の影響をも考えた場合に、鉄道というものは否定できないという感じを持っておりました。それだけに、この小里さんの論文を見せていただきましたとき、期せずしてそのような論点を思い起こした次第です。

 

〇二階委員 市町村の合併の問題について、自治大臣にお尋ねをしたいと思います。

 白川自治大臣は、先日の御答弁でも、地方自治の責任者は自由を選ぶか死を選ぶかだというみずからの決意も込めて、地方自治の困難な課題について言及されました。

 市町村合併については、合併特例法、二年前に改正されましたが、このかなり配慮がされておるはずの現行法をもってしても、ここのところ合併はほとんど進んでいない。過疎の白書を見ましても、過疎地が、地域の担い手である若者の流出、高齢化の進行に対して活力が低下している、また、依然として産業面でのおくれや財政面での脆弱さなど課題を抱えておる、問題点を指摘しておるわけでありますが、私は、この人口減少して人口の少ないところ、もう底をついているんだというふうに思うわけなんです。ですから、これらの市町村の、広域的な地方行政を推進していくことも大事ですが、私は、小さい町をたくさんつくっておいて、そして一方では大都市もあればいろいろなところもあって、それを全部合わせて地方行政の推進あるいはまた地方分権を推進していくといっても、分権委員会からも排除されようとしておるような地域は、これはなかなかついていけない。これらについて、合併推進に対して、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

 

○白川自治大臣 市町村合併という問題は、いざ考えてみると難しい問題が多々あると思います。そして、我々国会議員でございますから、どうしても国の立場から合併というのが出てくる、当然合併推進というのが出てくるわけでございますが、まず原理原則に立ちますと、三千三百の地方公共団体は、それぞれが人格を持った一つの団体でございます。よくとも悪くとも三千三百の地方公共団体をつくった以上、おまえのところは小さいじゃないか、それでやれるかというような形で、そこの地方公共団体の意志を無視してやる法手段は、地方自治法のどこを見てもございません。それは、例えば我々一億二千数百万の国民、千差万別、いろいろな能力もあるわけでございますが、一たびこの世に生まれたならば一人の人間であるということと全く同じかなと思っておりまして、どうかこの点をまず前提に議論をしなければならない話だと思っております。

 ただし、同時に、今の三千三百の地方自治体は、昭和三十年前後にできたものが委員御案内のとおり圧倒的多くでございます。私の選挙区でもそうでございました。したがいまして、二、三年前は合併市町村成立四十周年というのに、ほとんど出させていただきました。その当時の社会経済環境を見たら、まず圧倒的に、そういうところは農村地帯でありました。自動車もほとんどないという状況の中で、三つないし四つの当時の町や村が集まって、町になるあるいは市になるという状況であったわけでございますが、以来四十数年たってみて、全く社会経済状況が変わってきておりますので、住民の方には、私は、もう町村も越えて生活している人が圧倒的に多いので、住民側の方には町村合併という問題については、殆ど違和感はないと思うわけでございますが、例えば、首長さんとかあるいは市議会議員が合併したらどうなるかというような問題が、小さな問題のようだけれども意外に現実的な障害になっているとしたならば、そういうものは時間を置いてやれば議員の皆様や首長さんの皆さんに迷惑をかけることはないのだから、私は事務当局に、その辺は柔軟に考えていいのじゃないだろうか、こういうことを申し上げておりまして、いずれにいたしましても、市町村合併については、今までとはちょっと違う形で、私は、強力に進めていかなきゃならないし、しかし、当時もそうであったように、町村合併をしなさい、あるいは、した方がいいのではないですかと、市町村合併をしなさいと言う以上は、そういうことを勧める側も、町村合併したことに関してのかなりのメリット、そして合併に伴うデメリットについては、できるだけこの際例外的にでも解消するという特別の手段を得ないといけないのじゃないだろうか、そんな形で、今事務当局に、今までとはちょっと違った発想でこの市町村合併の問題を考えてほしいと指示しているところであります。

 

〇二階委員 大臣の御答弁を全部納得したわけではありませんが、おっしゃる意味もわからぬではありません。わからぬではありませんが、そのことをそのまま言っておりますと、これは町村の議会で言っているのと同じことであります。やはり、地方分権をどう進めていくのだ。あるいは、この地方分権のこういう勧告の中にも、過疎などということはたった一行しか書かれていない。こんなところで、自由を選ぶか死を選ぶかと言われたって、選びようないじゃないですか。

 我々は、小さい市町村をたくさん抱えておる地域は、今後、どう対応していくかということを、みんなが毎日真剣に考えておるわけです。今、大臣が後段に言われたように、何か新たな発想をと、どうぞひとつ新たな発想で取り組んでいただきますようにお願いしておきたいと思います。

四、その後の阪和銀行問題

 時間がございませんので簡潔に申し上げますが、私は、前に阪和銀行の問題でお尋ねをしたことがございます。預金者保護、中小企業に対する金融、株主、あるいは銀行員の雇用対策、いささか問題を残しておるようでありますが、銀行局長にその後の経過を簡単にお尋ねしたいと思います。なお、あわせて、幾つかの経済誌に、連日のように、他の金融機関も多額の不良債権を抱えて営業継続が危ぶまれておるといって具体的に固有名詞まで出して、数字の裏づけまでつけて出されておるわけですが、本当のところはいかがですか。 これをお尋ねしたいと思います。

 

○山口政府委員 お答え申し上げます。

 阪和銀行のその後でございますが、私どもの方で業務停止命令をかけさせていただいた後に異議の申し立てが出ておりまして、今それを精査させていただいているところでございます。

 一方、預金者の保護の方につきましては、金融三法をお認めいただいておりますので、それに従いまして、預金者の保譲には万全を期すべく、そのシステムもあわせて今検討を進めているところでございます。

 また、従業員の雇用の問題でございますが、これは、大蔵省の離職者の雇用確保のための施策というのは特別にあるわけでございませんけれども、昨年破綻しました阪和銀行につきましては、現在、その従業員の雇用につきまして、関係者が大きな関心を有しておられることは、十分承知しております。したがいまして、大蔵省としましても、雇用関連施策を所管します労働省並びに和歌山県に対し、阪和銀行の従業員が離職した場合には、適切な対応がなされるようかねてよりお願いしてきたところでございますが、そのような中で、一月二十日、和歌山県が中心となりまして、阪和銀行雇用問題連絡調整会議が設置されまして、二月の十四日には第二回目の会合が開催され、求人の数等の御紹介がなされ、今後とも各委員が全力を挙げて、また積極的に行動していくということを申し合わせているというふうに聞いております。

 

〇二階委員 先ほど権藤委員の質問にもあり町ましたが、倒産前に公表された不良債権が、しばらくするとその何倍にもなってあらわれてくる、大蔵省の調査、監査法人の監査が本当に信用できるのか、これは、ちまたの声であります。

もうこれ以上、うそをつくことができないという監査法人の抵抗に遭って、ついに業務停止に踏み切ったということを新聞で見たことがあります。不良債権を多く抱える銀行の生命椎持装置が、こんないいかげんなやりとりでなされているとすれば、他の健全な金融機関にも信用、信頼が集まるわけがない、株も景気も上がるわけがない。倒産して不良債権がどんどん増えてくるということに対して、大蔵省はもっとしっかり調査なり監査なりおやりになることを要望しておきたいと思います。

あと、もう時間ありません。これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

○深谷委員長 これにて二階君の質疑は終了いたしました。

 

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