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 二階俊博代議士は、平成13年5月16日、衆議院国土交通委員会において、地方の問題について、「JR民営化」、「過疎バス」、「祝日3連休」、「道路特定財源」、「国土の均衡ある発展」といった点から質問を行いました。

○赤松委員長 次に、二階俊博君。

○二階委員 早速質問させていただきます。
 JRの完全民営化に向けて、多年にわたる関係者の悲願がいよいよ法律として今国会に提出されることになり、間もなく本格的な審議がなされようとしております。国土交通省及びJR各社の今日までの御努力を多とするものであります。
 問題は、完全民営化された場合、当然、経営の合理化を追求する余り、もうかる路線には熱心に、もうからない路線にはやや冷淡な経営姿勢をとるのではないか。つまり、もうからない、乗客の少ない路線は、株主の意向がどうだこうだと言いながら、どんどん切ってしまうのではないかという危惧の声が聞こえてまいります。それでは、公共交通機関であるという使命も誇りも、JRの今日までたどってきた国鉄改革の趣旨も忘れ去ってしまうのではないかと心配される向きもあります。
 私は、JR東日本、JR西日本及びJR東海の各経営陣はいずれも立派な方々ばかりであり、そのような行動をとるはずはないと信じてはおりますが、地域にとって他の交通機関を期待しにくい地方のJRの路線の存続に格別の配慮を図るべきだと考えております。この点について、まず扇大臣の見解をお尋ねいたします。
○扇国務大臣 二階先生は運輸大臣経験者でいらっしゃいますから、JR三社の民営化については、細かいことは法案審議のときに譲りたいと思いますけれども、今先生が御指摘になった、民間になれば赤字路線を切り捨てるのではないか、このことは、私、本当に一番大事なことだと思いますので、私はJR三社の社長と一緒に、お互いに指針をつくって事項を定めてございます。
 そのJR三社との指針の中に、三点ございますけれども、他のJR会社との連携協力の確保に協力する事項、そして二つ目が大事なところで、路線の維持、駅設備の整備に関する事項というのが二つ目にございます。三つ目に、同種の事業を経営する中小企業者への配慮に関する事項、この三点を、お互いに指針を策定することとして、JR三社の社長と話し合いました。
 その中で、特に今申しました路線の維持という点に関しましては、上記の指針を踏まえた事業経営を確保する必要があるときには、JR各社に対し指導助言することができる、これを確約しております。
 また、今のお話のように、三番目の同種の事業を経営する中小企業者への配慮という面も含めて、指示助言に加えて、国土交通大臣が、正当な理由なくして指針に反する事業運営を行うJR会社に関しては、勧告、命令することができる、これを担保にとったというのが実情でございますので、特に住民の皆さん、国民の皆さんに民営化されたときに不安が起こらないようにという、このお互いの合意事項を私は持っておりますので、ぜひ民営化することに、先生の大臣のときからの悲願でございましたものがやっとここまで来たというふうに御認識賜りたいと思います。

○二階委員 昭和六十一年の国鉄改革関連法案の附帯決議は、国鉄改革後も地方財政再建特別措置法の趣旨を超えるような負担を求めないようにするというものでありました。今、それから十四年の歳月が経過いたしました。
 JR各社は、国民の税金も投入された国鉄の資産を引き継いだ会社としての使命、公共への奉仕の精神を忘れることなく、住民の足を守るべく、ローカル線の維持に、ただいま大臣から御答弁がございましたような趣旨で御努力をいただきたいと思いますが、この際、安易に地方公共団体に負担を求めるべきではないと考えております。この点を特に要望しておきたいと思います。
 次に、過疎地等を走るJRバスについて伺います。
 過疎地を走るJRバスは、ほとんど赤字経営を理由に次々と撤退を余儀なくされている実情であることは、御承知のとおりであります。バス経営を行うJRバス会社については、会社全体の経営の中で不採算路線の維持を図るべきは当然のことだと思います。しかし、これがどうしても無理な場合は、補助制度の対象路線として地域住民のバス路線を維持していくことが必要であると考えますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

○扇国務大臣 今、二階先生がおっしゃいました過疎地のバスというのは、過疎の皆さんにとっては本当に生活の必需でございます。
 そういう意味では、過疎地の皆さん方の足である、この引き継がれたJRバスというものに対しては、地方財政再建促進特別措置法の精神を踏まえて地方公共団体には補助ができないこととされておりますけれども、それなれば、乗り合いバスの事業の需給調整規制の廃止に伴って、今先生がおっしゃいました、過疎地なればこそ、特に過疎地の皆さんの足となるバスの補助制度については、これまでの事業者ごとに補助する制度から、地域にとって必要な路線であればどのような事業者であるかにかかわらず補助するという、いわば路線ごとの補助制度に変更をいたしました。
 少なくとも、このような新しい仕組みにおいては、JRバスについては、他の民営バスや公営バス事業者と同様に、地域とともに生活交通の確保に取り組む担い手として位置づけて考えるべきものである、私はそう認識しておりますので、今までどおり私はそれを確保していきたいと思っております。

○二階委員 大臣の地域住民の足を守るというかたい決意につきましては、大変感謝をいたします。JRとしてどうしても撤退が避けられない場合は、現実に地方公共団体が支援をして維持するしか方法がないというケースが出てくるということは、大臣も今お答えのとおりでありますが、私は、この際、地方財政の責任者としての総務省のお考えをお尋ねしておきたいと思います。

○香山政府参考人(総務省財政局長) お答え申し上げます。
 JRバス事業者に対する補助につきましては、先生の御指摘にもございましたように、昭和六十一年の国鉄改革関連法案制定時の国会附帯決議を踏まえまして、経常経費に対するJRに対する補助金は認めないという取り扱いをしてまいりました。
 しかしながら、お話にございますように、需給調整規制の廃止によりまして、地域において不可欠なバスの運行につきましても、存続問題が従前よりも深刻化してまいります。地域にとりまして足の確保は不可欠であるけれども、一方で採算に乗らない、そのような場合に、地方団体が負担をしてでも維持せざるを得ないといったケースが出てくることも想定せざるを得ない、このようなことになります。この場合、民間バスには規制がないのに、JRバスの場合は地方団体の補助について規制がある、こういうことでバランスを欠くという問題がございます。
 この点につきましては、所管の国土交通省とも協議をいたしてまいりました。国土交通省の方でも、先ほど大臣から御答弁がございましたとおり、JR会社法の改正案に基づく指針によりまして、路線の適切な維持を図ることを求めていただく、その上で、廃止もやむを得ない場合には、国庫補助につきましてもJRバスへの交付制限を見直すべきである、そのようなお考え等も承っておりまして、私ども総務省といたしましても、地方団体が住民の足を確保するためにやむを得ず補助を行う、こういう場合も差し支えない取り扱いにしたい、このように考えております。

○二階委員 ややもすると地域が切り捨てられるのではないかという危惧を抱いている昨今、香山総務省財政局長の答弁に大変心温かいものを感じます。ぜひそのように実現できるように御努力をいただきたいと思います。
 次に、私は、道路特定財源についてお尋ねをいたします。
 道路特定財源の使途拡大、あるいはまた道路特定財源見直しというふうなタイトルの新聞報道が近ごろにぎわっております。総理及び財務大臣の発言が連日繰り返されているからであります。
 道路特定財源の使途は、今日まで、単に道路整備のみならず、都市再開発事業、連続立体交差事業等にも取り組んでおりますが、今後はさらに、交通バリアフリー事業等にも、より積極的な対応を検討すべきであると考えております。
 そこで、早速大臣は、道路特定財源制度の目的や歴史的経緯という性格を踏まえて方向性を打ち出したいと言われております。大いに期待をいたしたいと思います。今後の道路特定財源の使途のあり方について、大臣の御方針を伺っておきたいと思います。

○扇国務大臣 私は、我々二十一世紀を迎えた日本の国民の社会資本整備というものはどうあるべきかということが、大きな課題になってくると思います。そういう意味で道路特定財源も、少なくとも税収が二兆三千億円、十三年度でそう思われていますけれども、あらゆる面で、国の財源、そして地方の税収等々を考えまして、道路特定財源の使途が一つに偏らないように、今後は二十一世紀型の、今二階先生がおっしゃいましたバリアフリーの問題あるいはまちづくりの問題、鉄道と道路との結節点をどうするか、あらゆるところに私はこの特定財源を使っていっておりますし、また鉄道の高架には約九割をこの特定財源を充当しております。そして、新交通システムには約六割を充てております。そして、土地区画整理あるいは市街地の再開発には、この特定財源は三割から四割使っているというのが現実でございます。
 この道路特定財源というのは、国土交通省になりましてから、これはもう金科玉条のごとく握って放さないというような、あるいは国民にそういう誤解をされているのではないか。今申しましたように、幅広く使われているという現実を直視していただいて、なおかつ二十一世紀、今先生に言っていただきましたように、この特定財源の歴史的な経緯とか、あるいは受益者負担というこの原則で、今後それをどう踏まえてどう対処していくのかというのを、これは今先生に言っていただきましたように、国土交通大臣たる私から方向性というものを探っていきたい。多くの皆さんの御意見を参考にして、二十一世紀型の十四年度の概算要求までに考えるべき大きな課題であると私は認識しております。

○二階委員 総理及び財務大臣は、道路特定財源にまず風穴をあけるようなつもりで、例えば環境対策、エコカーの購入など、次々発言されておりますが、道路本体の整備を必要とする地域からの声は国土交通省にも届いているはずでありまして、大臣も各地を回られて、そういう強い要望を肌で感じてこられたはずであります。したがいまして、道路局長もおられますが、時間がございませんので答弁を求めることはできませんが、私は、専守防衛に回るだけではなくて、この際、二十一世紀の国土交通政策の青写真をもとに、果敢に攻める積極的な姿勢で頑張っていただきたいということを申し述べておきたいと思います。
 時間が参りましたが、祝日三連休のことで、一言大臣に申し上げておきたいと思います。
 五月一日の閣議後の扇大臣の発言について、私は先ごろ、老人クラブの皆さんとお会いをしました際に、相当誤解しておられるなという感じがいたしました。したがいまして、扇大臣が、この祝日三連休と老人クラブの関係について、大臣の真意を伝えることが大切だと私は考えました。もしここで所見があれば、お答えを願いたいと思います。

○扇国務大臣 今二階先生言っていただきましたように、これは五月一日の閣議後の記者会見で、ハッピーマンデーの話が出ましたときに、九月十五日の敬老の日を月曜日に持っていくということに関しまして、私は本当に残念だなと思ったのは、一部の皆さん方に誤解を招いているのではないかということでございます。
 私は、二階先生が御指摘のように、私たち保守党でございますので、保守党は日本の歴史と伝統と文化を守るということを党是としている政党でございまして、そういう意味では、この考え方が御理解いただけないのは、私も言葉が足りなかったのかと申しわけなく思うんですけれども、私は、お年寄りを敬うということは人後に落ちるものではないと私自身も考えておりますし、私生活の中では私もそういう生活を送っております。
 ですから、私は、ハッピーマンデーに九月十五日を動かすことを、ただ敬老の日を動かしてもいいということではなくて、私は、一日だけを敬老の日にすることではなくて、敬老週間であるとか敬老月間であるとか、今度、二十一世紀は老齢社会でございますので、もっと拡大して、敬老の日という一日じゃなくて、敬老ウイークだとか敬老月間とか、もっと二十一世紀型の敬老の啓蒙をする日に私はしていきたいというのが真意でございます。
 ちっちゃな新聞に一言何か書かれましたことで、老人の皆さん方に本来の意図が通じていないのであれば私の言葉足らずだなと思いますけれども、心から、誤解のないように御理解いただきたい。私は、もっと、敬老の日じゃなくて、週間か月間という大きな形の二十一世紀型の敬老を、みんなで敬う、そういう行事にしたい、拡大したいというふうに思っておりますので、ぜひ御理解賜りたいと存じます。

○二階委員 ただいまの大臣の御答弁に対して私は同感であります。したがいまして、役所の方で、ホームページその他を使って、やはり老人の皆さんに大臣の真意が伝わるように御努力をいただきたいと思います。
 最後に、近ごろの政治の方向は都市へ都市へと偏重しがちであります。政府の審議会等におきましても、国土の均衡ある発展という言葉を改めるべきではないかという極めて非常識な発言が目立つ昨今であります。選挙の票や世論形成だけを考えれば、都市に偏り、都市に重きを置きたくなる衝動に駆られることは全く理解できないことではありません。
 しかし一方、過疎の地、衰退の一途をたどりつつある地方を、いわゆる高度成長の波に乗ることができずに取り残された地方を荒れるがままに任せて政治はこれでいいのかという厳しい反省がお互いになくてはならないのであります。国土の均衡ある発展は国是であり、今日の国家経営の基本であったものが、いつからこの方針が大転換なされたのか、なされようとしているのか。
 私は、きょうは、そうしたことに御理解の深い北海道選出の佐藤副大臣、そしてまた国土交通問題の専門家である泉副大臣にそれぞれ御答弁を願いたいと思いますし、地域の問題でありますから、総務省の財政局長からも所見があれば御答弁をお願いしたいと思います。

○佐藤副大臣 私は、これから、定住人口よりも交流人口というものに重きを置くべきだろうと思っているんですね。それぞれの地域でいかにして交流人口を多くしていくか。それはやはり、それぞれの地域が非常に魅力的なまちづくりをしなかったらだめです。
 二階先生は非常に観光に造詣が深いわけでありますけれども、大きな意味でそういう地域づくりというものに取り組んでいく。そのために、新幹線も必要ですし、高速道路も必要であります。それを入れながら、目に見えない価値観、または目に見える資源、そういうものをあわせながら地域づくりを進めていく。そして、要するに、地域のアイデンティティーづくりと申しましょうか、全国各地区でそういうものをやっていく。それで全体的な日本の均衡ある発展を図っていく。そういう考えが私は正しいような気がします。
 今度は、我々も国土交通省として四省庁合わさったわけでございますから、機動的に、具体的にそういう地域づくりを進められると思います。全力を挙げてやっていきたいと思っていますので、また御支援をお願い申し上げます。

○泉副大臣 国土の均衡ある発展というのは、五次にわたる全国総合開発計画の基本的な考え方でございますし、いわゆる五次の、今日掲げております「二十一世紀の国土のグランドデザイン」の中にもこの言葉が明記されておるわけでございます。
 これはまさに、「多様な地域特性を十全に展開させた国土の均衡ある発展を実現」するというふうに書いてございまして、このことがおかしいという論理は通らない。それぞれの地域にシビルミニマムを設け、それを十全に全うした上でその地域の個性を生かすというのは当然国土政策の根幹であると私は思っておりますので、先生の御趣旨を生かしながらこれからも努力をしてまいるつもりでございます。

○香山政府参考人(総務省財政局長) お答え申し上げます。
 私ども、地方財政を担当いたしておりますけれども、地域の財政力格差の解消、これは先生がおっしゃる意味の国土の均衡ある発展につながるもとだと思っておりますけれども、地域の財政格差の解消を図るということは、国家にとりまして最も重要な使命と考えております。
 現在、地方財政、大変厳しいものがございますから、都市部も、また過疎地の地方団体も従前以上に歳出の効率化には努めていただく必要がございますけれども、その前提のもとでは、地方交付税等を活用しながら財政力格差の是正に最大限努めてまいりたいと考えております。

○二階委員 終わります。

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