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対日投資の推進と国際観光の振興について

2001年4月24日

「PENSION 2000]においての講演

フォーシーズンズホテルにて

 

 本日、このような席で、日本についてご理解を深めて頂くため、私がスピ−チをする機会を与えられ光栄に思っています。


 今、日本の政治は、後2、3日すれば正式に小泉純一郎 新内閣総理大臣が誕生するという政治的な変革の時期を迎えております。
 もっとも皆さんには、ほとんど1年に1度、10年間で10回も総理大臣が変わるという、猫の目のような日本の政治に少々慣れておられるかもしれませんが、とにかく内閣が生まれ変わることには違いありません。
 今日の日本の政治は、ご承知の通り連立政権であります。今日現在は、自民党、公明党、私の所属する、保守党で形成されています。
 与党の最大政党の自民党は衆議院では、遥かに過半数を超える勢力でありますが、参議院では過半数を割っております。公明党と保守党の協力でようやく政権を維持してきました。参議院で、少なくともこれから6年間で、自由民主党が過半数に達することは、ほとんど難しい状況で、ここしばらく連立政権が続くことになります。
 最初の連立は1998年11月19日、自由民主党と当時の自由党との連立をスタートさせました。
 その後、幾度かの曲折を経て、今日の自民党、公明党、保守党の三党連立の時代を迎えております。
 その間、連立政権でなければ出来ないような改革を数々為し遂げて参りましたが、まだまだ改革の実を挙げるまでに至っておりません。
 これからの新しい政権は、景気回復とそのための銀行の不良債権の解消等に大ナタを振るわなければなりません。


 1991年から10年近く景気拡大を続けてきたアメリカ経済が、昨年半ばから急に下降気味であり、世界のGDPの3割を占める米国経済の動向は、世界経済には大きな影響を及ばしており、特にアジア経済では、情報通信関連を中心に輸出依存型が高い分だけ、アメリカ経済の影響が大きく、成長鈍化の兆しが見えております。
 従ってアメリカ経済が回復に向かうのか、それともこのままさらに景気後退の方向を辿るか、判断は難しい状況にあると思っています。
 わが国経済は非常に厳しい状況であるということは、認めざるを得ません。
 株価も3月に日経平均が、一時16年ぶりに1万2000円を割り込むほど低迷しており、さらに3月の日米首脳会議においてプッシュ大統領から不良債権の解消に取り組むことを強く求められております。このような日本経済の現状は、決して良好であるとは言えません。


 しかし、投資対象としての日本は魅力のないものでしょうか。私は、そうは思いません。中長期的に見れば、このような時こそ、日本への投資のチャンスであると考えております。
 日本のGDPは依然としてアメリカに続く世界第2位であるばかりではなく、世界全体の14%を占める大きな市場であります。
 1人当たりの国民所得も1999年の数値で、2万6500ドルとなっており、ドイツの2万1700ドルと比較してもかなり高い水準となっております。国内消費は確かに冷えておりますが、人々は金がなくて物が買えないのではなく、家計は十分な貯蓄があって、消費者は魅力ある良い品物なら、多少高くても買う姿勢を示しております。
 いわゆるブランド品の売れ行きは、相変わらず好調で日本からの旅行者は、アメリカでもオーストラリアでも、一昨日私は韓国から帰ったばかりですが、韓国でも日本人旅行者が、高級ブランド品のお土産売り場に集まっております。魅力ある商品を提供すれば、それに答える力が十分にあると申し上げて過言ではありません。
 例えば、世界一周の豪華客船でも高いクラスのほうから順番に切符が売り尽くされます。東京から北海道へ約1200キロメートルの鉄道にJR東日本はカシオペアという寝台専用車を走らせています。
 フランス料理のフルコース付きで2人で10万円の料金ですが、1ケ月前から満席の状態が続いています。
 日本経済に対する懸念材料として、国と地方を合わせて約666兆円の長期債務残高の問題が拳げられます。
 先日からの自民党総裁選拳においてこのことが、重要なテーマでありました。このまま放置することは出来ないことは十分承知しておりますが、日本はマクロ的に見れば貯蓄超過でありますが、財政赤宇はすべて国内の貯蓄で賄える計算になります。
 経常収支も黒字であり、外貨準備も今年3月まで3,615億ドル、外貨純資産の残高も1999年で、7,439億ドルで世界最大の債権国であることなどからも、日本経済の潜在的な力は、まだまだ十分なものがあります。
 バプル経済の崩壊後、株価や地価の下落が進み、対日投資コストはここ数年で大幅に低下しております。
 株価は1989年のピーク時と比ベ3割程度となっております。地価も6大都市の商業地でピ一ク時の5分の1となっております。
 ご承知のように、金利も史上最低水準で安価な資金調達も可能となっています。
 従来、対日投資の障害とされて来た政府の規制も流通、電気通信、金融、エネルギー、医療福祉および運輸サービスの各分野において、規制緩和が進められています。
 かねてより、日本経済の強みと言われて来た教育水準の高い勤勉な労働者、社会の安定、犯罪率の低さなど現在も変わることなく、さらに学生や労働者の意識改革も進んで参りました。
 今、統計上は確かに、300万人を超える失業者を抱えているものの、職種さええらばなければ、さらに300万人の求人の申し込みがあると経済産業省は発表しております。
日本経済は、現時点では低迷していますが、成長に向かうべき要素は十分にあります。
実際、日本に対する直接投賢は、近年大きく増加しており、1999年度は、前年の2倍となる約215億ドル、2000年度は上半期だけで約177億ドルとなっています。
 日本に進出した企業も日本市場において成功を収めており、アメリカのトイザラスは日本に進出して5年間で、日本最大の玩具チェーンとなっております。
 最近では、ルノーによる日産自動車への資本参加、小売業世界第2位のカルフールの出店などフランス企業の進出が目立っており、1999年度の対日投資額は約67億ドルで第1位となっております。
 私たちは、この状況の中で日本に指摘されている問題点に何も手を打てなければ、勿論、日本経済の先行きは暗いものとなるでしょう。
 政府および私たち連立与党は、今月6日に「緊急経済対策」を決定しました。今、日本経済にとって、もはや問題の先送りは許されないのであります。
 景気回復と財政構造改革に取り組むことが最も重要な政治課題であり、私たち保守党も連立与党の一員として、問題解決に全力を尽くすことを決定しております。
 私たち日本は、世界の平和と共に日本経済が成長路線に乗ることによって、世界経済の持続的発展に貢献しなければなりません。
 私たち 日本の企業は、多くのことを外国から学びました。しかし、日本も優れた技術立国を目指しております。
 グローバル経済の下で外国資本の参入により、競争が更に活発化することによって、新たな活力を産み出すことが期待されています。日本から海外への投資への直接投資は、1999年時点でまだ、3分の1程度であり、より一層の対日投資を推進するための努力を重ねなくてはなりません。


 投資について、対日投資は3分の1程度と申し上げましたが、旅行収支についても2000年は、約3兆円の日本の赤字となっております。
 私は現在、社団法人全国旅行業協会の会長であり、昨年まで、観光を担当する運輸大臣もやっておりまして、その間の事情は一応承知しているつもりですが、日本から海外への旅行者は、1,782万人であり、海外からの日本への旅行者は476万人で、およそ3分の1程度となっています。
 私たちは、旅行収支の問題よりも、日本をより多くの外国の皆さんに見て頂きたいと思っています。
 お互いの国を訪問する相互交流によって、その国の人々の人情、生活習慣や国の歴史や文化に直接触れることは、国際親善に非常に意義のあることだと考えております。
従って、国際的な文化観光交流は、平和を維持するためにも極めて大切な政策であると考えております。


 日本では2002年には、韓国と共催でサッカーのワールドカップが開催されることになっており、この機会に多くの外国の方々に日本を訪れて頂いて、日本の地方を含めた日本の素顔を観て頂きたいと思っております。なお、大会の模様は世界各国にテレビ中継がなされますので、大会期間中延べ400億人世界の人々がこの大会の様子をご覧頂くことになっています。
もう一つ私が期待していることは、本年、9月末から10月始めにかけて、韓国と日本で開催される、WTOの総会であります。
 このWTOは、貿易交渉で激しくやり合うWTOではありません。世界184ヶ国が参加している世界観光機関の総会がサッカーと同じように日本、韓国の共同開催で行われます。
約2、000人位の各国の観光大臣や観光の専門家の皆さんがソウルと大阪に集結します。
 この機会に日本の伝統や文化を楽しんで頂くように、今関係者の間で懸命に取り組んでいます。
 日本の観光産業の売上げは、約20兆円でありますが、多く裾野が拡がっておりますので、経済波及効果は、約50兆円に及んでおります。
 文化観光交流を通じて日本は世界の平和にも大いに貢献して参りたいと思っております。

 以上、私の考えていることの一端を申し上げました。
 ご静聴を頂きありがとうございました。

 

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