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二階俊博保守党幹事長談話

「今回の訪問は最前線の国家となったパキスタンとの良好な協力関係を構築することが目的でした。
 幸い、親日的なパキスタンのムシャラフ大統領をはじめ各閣僚等から、我が国の自衛隊等の後方支援活動に理解を得ることができました。
 国際外交の舞台も、私たち個人個人の人間関係も同じであって、日頃から円満な外交関係を築いていくことが如何に重要なことであるかを痛感致しました。
 アフガニスタンの復興支援についても、日本に何ができるか、今から検討を開始し、国際社会において日本が期待される役割を果たすことが大切であります。
 何れにしても、テロ撲滅のため、日本としてできる限りの努力を重ねなければなりませんが、与党3党が協力し、政府と一体となって頑張りたいと思います。」

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与党三党幹事長のパキスタン訪問の報告

 

平成13年11月5日

保守党幹事長  二階俊博

  ムシャラフ・パキスタン大統領と会談

 与党三党の幹事長(山崎拓自民党幹事長、冬柴鐵三公明党幹事長、二階俊博保守党幹事長)は、テロ対策特別措置法の成立に伴う基本計画に盛り込むべき事項を調査するため、11月2日及び3日、パキスタン(カラチ及びイスラマバード)を訪問した。11月2日には、被災民支援のための物資輸送の拠点となるカラチ港を訪問し、ハイアット港湾局長と面談を行った後、カラチ港を視察した。翌3日には首都イスラマバードに飛び、ムシャラフ大統領、サッタール外務大臣、カーン辺境大臣、ウトカンUNHCRパキスタン事務所長との会談を行った。

[日程の概要]

 

[11月2日(金)]

08:00      羽田空港発(ANAチャーター便)

14:30      カラチ空港着

15:30      カラチ港湾・ハイアット港湾局長との面談

16:30      船に乗船し、コンテナ埠頭、貨物埠頭及び港湾視察

 

[11月3日(土)]

07:00      カラチ空港発

09:00      イスラマバード空港着

10:00      ムシャラフ大統領表敬(於:行政長官府)

12:30      サッタール外務大臣との会談(於:外務省)

15:30      カーン辺境大臣との会談(於:辺境省)

17:00      ウトカンUNHCR(国連難民高等弁務官)
         パキスタン事務所長との懇談(於:UNHCR事務所)

23:00      イスラマバード発

 

[11月4日(日)]

12:30      羽田空港着

14:30      小泉総理大臣に帰国報告(於:総理公邸)

[11月2日]

 

【ハイアット(カラチ港港湾局長・海軍司令官)との面談の概要】

 

(港湾局長の挨拶)

(1)日本は世界からその勤勉性において高い評価を受けている。多くの国が日本を模範とし、目標としている。

(2)パキスタンは同時多発テロとの闘いの前線に立つことになり、他の多くの国々の助けを必要としている時、日本から協力の申し出があることを力強く感じている。カラチ港は能力的にも安全面でも能力を持っており、日本の協力に応えることができると確信している。

 

(カラチ港の概要説明)

   カラチ港の水深は8〜11m、30のバースがある。60haの埠頭があり、輸送に便利。24時間稼動が可能。西埠頭の民間ターミナルは、45万トンの貨物量を扱うことが可能。

   取り扱い貨物量は現在、年間2600万トン。内固体が1200万トン、石油等の液体が1400万トン。

   バースの稼働率は現在45%、パキスタンの取扱量の70%をカラチ港が扱っている。

   カラチ港は将来の目標として、地域のハブ港湾を目指している。このため、インフラの整備を進め、第一段階として水深13.5m、第二段階として16.5mを目標とし、15万から17万5000トンのタンカーが通れるようにしたい。

   カラチ港の最大の問題は水であり、海水の淡水化プランを進め、水不足の解消を図りたい。カラチ港の開発計画には1億5000万ドル必要であり、日本の協力をいただきたい。

   カラチ港はアフガンのカンダハールやカブールから遠く、安全である。港湾当局のみならず沿岸警備隊や海軍の協力も得て、安全警備上最大の配慮をしており、安全上問題はない。

   カラチ港視察(その後、約1時間近くカラチ港を視察)

[11月3日]

 

【ムシャラフ大統領との会談】

 

「日本側」

・テロ対策特別法の成立を受け、@米軍への補給・輸送、A捜索救助活動、B被災民支援活動等の非戦闘分野での人的貢献が可能となった旨説明した上で、当面はディエゴ・ガルシア等への補給輸送等を検討中であるが、自衛隊による医療活動等の被災民支援についても今後出来るだけのことをしたい、そのための検討材料を得るために今回訪「パ」した旨を説明。

 

「ムシャラフ大統領」

(自衛隊の支援)

(1)日本の部隊は他国の部隊と異なり、パキスタン国民に歓迎されよう。自衛隊が被災民支援といったことのためにパキスタンに入ることを全面的に歓迎する。今後何が出来るか共に検討したい。

(2)日本が難民支援のため、カラチ港が使われることは大いに結構。

 

(アフガン問題)

(1)今後の見通しとして、三段階が考えられる。@軍事的戦略、A政治的戦略、B復興、の三段階だ。

(2)現在行われている軍事的戦略に関しては、ラマダンまでに終わることを望んでいるが、難しい。終わらないとしても政治的戦略は今から考えておかなければならない。軍事的戦略が完全に成功しなくても、政治的戦略は考えておく必要がある。

(3)政治的戦略としては、多民族によるアフガン人自身による新政権の樹立、国連、OIC等の傘の下で国際社会が新政権を資金的・制度的にささえていくことが重要である。また、灌漑、給水、農業などのインフラ整備や金融システムなどの各種のシステムの整備が重要である。

(4)ソ連の侵略がアフガンの荒廃を招いた。ソ連軍撤退後、国際社会が手を引いたため、アフガンを荒廃させた。その影響はパキスタンにも及んでいる。今回もテロ対策の目処がついても国際社会がアフガンから手を引かないようにすることが大事である。

 

(人道上の支援)

(1)人道上の支援としては、第一段階として、国連のWFP等を通じ、できるだけ多くの食料を提供すること、国境を越える難民をできるだけ少なくすること、NGOの活用が考えられる。

(2)第二段階として、国境の近くに難民の施設をつくることが重要。できるだけアフガンの領土内に難民が生活できる基盤を築く必要がある。

(3)第三段階として、パキスタン内に施設をつくる場合は、水、食料などに配慮すること。

(4)第四段階として、傷やケガを被った者で重傷者はパキスタン内での病院での治療や海外での治療が考えられる。

(5)これら人道上の支援のための国際的な基金をつくることが必要ではないか。

 

(核拡散問題)

・日本の核に対する感情は十分理解している。核拡散はしない。核実験もしない。ただし、インドも同じようにすることを望んでいる。CTBTの批准には、国民世論の理解という条件がある。インドが核実験をした場合、国民の理解が得られるか。

 

(パキスタンの民主化)

・来年10月には民政に移管する。いかなることがあってもこれは変わらない。必ず総選挙を実施する。

 

(今後の日パ関係)

・日パ国交樹立50周年を機にさらに友好協力関係を強めていきたい。短期的には、経済回復が重要。日本の援助が大事であり、今後の日本の取り組みに期待する。

 

【サッタール外務大臣との会談の概要】

 

外相とは、主に核問題、パキスタンとタリバンとの関係、日パ関係の問題を話し合った。

 

「サッタール外務大臣」

(1)核問題に関して、外相は、1971年のカシミール紛争以来、インドとの対決上、核開発を行った。現在は、核実験を凍結しており、これは永続的なものと考えている。CTBTを批准しないのは、純粋に内政上の問題。国民世論的環境が整っていない。日本の核に対する特別の思いは認識している。

(2)タリバンとの関係について、今は特別な関係にない。パキスタンがタリバンに大きな影響力を持っていることはない。バーミヤンの大仏をタリバンが破壊して以来、関係は冷えたままになっている。パキスタンは、特に女性を差別しない。閣僚の内、3人は女性。この点でもタリバンとは違う。

(3)日パ関係の中で、食糧問題やトンネル工事など安全管理の問題をキチンとやればやっていけるのではないか。コハットのトンネル工事、日本が途中で引き上げると計画は頓挫してしまう。2000人以上の人が働いており、影響は深刻だ。政府としても安全に努力する方針であり、日本としても早期の完成を望んでいると思う。円満に話し合えば解決がつくと思っている。

 

【カーン辺境大臣との会談の概要】

 

カーン辺境大臣は、アフガン被災民対策のパキスタン政府における実務責任者

 

「日本側」

    (1)ムシャラフ大統領との会談の結果、自衛隊の貢献の仕方について整理ができた。米軍の後方支援活動は、ディエゴ・ガルシア島など海上における補給・輸送活動は当面できる。捜査救助活動は、日本は戦闘地域には行けない、武力行使はできないのでできない。

    (2)被災民支援活動は是非やりたい。被災民支援といっても救援物資の提供や食料・水、医療活動等いろんなカテゴリーがある。医療活動については、自衛隊はその能力を持っている。大統領は被災民の支援活動に関し、カーン大臣を中心にシステマティックにするということであった。何か良い知恵があればお伺いしたい。

 

「カーン大臣」

(1)被災民支援の問題は非常に難しい。20年前のソ連のアフガン侵攻以来の問題だ。医療面での貢献の話はありがたいが、問題となっているのはアフガン領内の難民キャンプへの支援だ。この面でも支援をいただきたい。

(2)医療面での支援活動には四つの段階がある。第一段階は、国境における難民の流入に伴い、彼らがどのような症状にあるのかを把握し、それに対応した措置をとること。第二段階は、深刻な症状と判断された人を病院に送ること。現在、アフガンと国境を接する2州の病院に送っているが、流入する被災民が増え、医薬品、医療設備、医師等が不足するという問題がある。第三段階は、症状が非常に重く、パキスタン国内では対応できない人で、WTOを通じ他国で治療を行っている。第四段階は、深刻ではない人に対する基礎的医療を提供するというもの。

(3)このような医療活動の中で支援を求めたいのは、@診察・治療行為、A病気の蔓延を防ぐための医薬品の提供、B爆弾等の爆発に伴う火傷やケガに対する手当て。現在これに対する手当ては殆ど行われていない。パキスタンのNGOは実際に爆発で傷ついた人を病院に送り、治療を行っている。

 

(必要な支援物資とその輸送について)

「日本側」

・アフガン被災民の支援に際し、大統領はジャム・ピーナツを持ち込まれても喜ばれないと言っていたが、衣食住といっても具体的に必要なものは何か、カラチ港まで運べば物資は国境を越えて被災民に届けることができるのか。

 

「カーン大臣」

(1)まずどのようなものが必要か、リストをつくり、沼田駐パ日本大使を通じ伝えたい。

(2)カラチ港からの輸送については、救援物資がスムーズに届くためには、アフガン内にキャンプの設置が必要。残念ながらこれは殆どすすんでいない。現在最も効果的なのはNGOを通じるものだ。

(3)大統領は難民支援に関し、調整委員会をつくることを提唱している。これにはNGOもロジ担として陸軍も参加させる。諸外国からの救援物資が最も必要なところに行くことが望ましい。大使を通じ、必要な物資のリストを提示させていただく。

 

(復興問題)

「日本側」

・私が、「大統領は復興のため、食料、水の確保など生活基盤の確立等農業政策が重要だとしている。そのための準備を今から日本とパキスタンが協力して検討を始めることが必要ではないか。また、カラチ港のインフラ整備やインダスハイウェイプロジェクトのコハット・トンネルについて、日本としても努力するが、パキスタン政府としても相互協力で前進させようではないか」、と指摘。

 

「カーン大臣」

(1)鋭い示唆に富む指摘だ。難民の流入により、パキスタン内部にいろいろなインフラ問題が発生している。道路事情が悪化したり、水不足が深刻化したり、周りの木を燃やしたりして環境問題を引き起こしているなどだ。

(2)食料や水の確保のためには土地改良などが重要な課題となるが、復興などの将来の問題については、国連等の議論を待って、パキスタンとしての対応を決めていきたい。

 

【ウトカンUNHCRパキスタン事務所長との会談概要】

 

○支援物資を渡す

・日本側から、所長に対し、今回持参した支援物資の目録(毛布3000枚、与党3党と経団連、全日空からの支援金1200万円)を渡す。

・これに対し、ウトカン所長は政府だけでなく各団体からの支援は大変心強いと感謝された。さらに、UNHCRに対するこれまでの協力に対し、感謝の意を表明された。

 

(被災民協力について)

「日本側」

(1)今回成立したテロ対策法の内容を説明し、自衛隊による被災民支援に関し、カラチ港まで物資を運べば、難民キャンプまでUNHCRが運んでいけるか。

(2)自衛隊には防衛医官が1000人近くおり、医療活動を行う能力を持っている。医薬品、医療機材の提供も行いたい。但し、戦闘地域であるアフガンには入れない。こういう状況でどのような支援が可能か、アドバイスをいただきたい。

 

「ウトカン所長」

(1)我々もカラチ港から物資輸送を行っている。しかし、クエッタあるいはペシャワールの方がアフガンに近いし、UNHCRの倉庫もあり、ありがたい。

(2)自衛隊が病気やケガをしている人への対処など、保健・医療の分野で支援していただけるのは大変ありがたい。軍事行動はまだまだ続き、多くの病人、けが人が出る。クエッタやペシャワールに病院があるが、内容に差がある。断面図やスキャナーなどの医療機材が不足している。こういう分野で日本が貢献できるならパキスタン政府は心から歓迎するものと思う。

 

(安全上の問題)

「日本側」

・日本の自衛隊がクエッタやペシャワールにおいて活動する際、攻撃されることはないか。

 

「ウトワン所長」

(1)タリバンに攻撃される可能性はある。先日もUNHCRの事務所が攻撃された。安全上のリスクは常にあるが、それが妥当な範囲内であれば許容できる。安全のみ追求すれば、東京でしか活動はできなくなってしまう。

(2)人道支援については、通常は文民が行うが、他方、自衛隊の支援も必要。要はバランスの問題だ。特に、医療の分野では自衛隊は大きな役割を果たすことができるのではないか。

(3)大統領は傷ついた人々への治療に頭を痛めている。短期的な野戦病院を設置することも考えられる。

(4)西欧に比べ、日本人にはそれほど問題はない。自衛隊の制服を着て活動することに懸念があるとすれば、ユニホームも軽装の方が良い。自衛隊によってケガをした人が助けられていることになれば、パキスタン国民に受け入れられるのではないか。こういう活動をしていることを、地元の人達への宣伝が必要。

 

(自衛隊の他の分野での貢献)

「ウトカン所長」

(1)被災民のキャンプは遠い所にあり、測量など自衛隊は土木分野での貢献が期待できる。また、アフガン復興の際、地雷の除去など施設部隊も貢献できる。

(2)しかし、現在においては、保健・医療分野での貢献が大事ではないか。ケガや傷を負ったものがどんどん増えている。いずれにしろ、パキスタン政府とキチンとした合意を取り付けることが必要ではないか。

 

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