「環境」「経済」をけん引する
省エネルギー住宅

地球温暖化が進行し、環境負荷の低いエネルギー源が求められる中、発電時の二酸化炭素(CO2)排出量ゼロの太陽光発電に対する注目が高まっている。日本でも一月十三日から、国による設置費用の補助制度がスタート。二〇二〇年に現状の十倍、三○年には四十倍の導入量を目指し、第一歩を踏み出した。新たな産業の柱としても期待される、太陽光発電の普及の鍵を握るのは何か。経済産業大臣・二階俊博氏、積水ハウス会長兼CEO・和田勇氏、シャープ会長兼CEO・町田勝彦氏の三氏に聞いた。

すべての屋根に太陽光発電を産業界の連携と官民の協働推進

――まだコストの高い太陽光発電ですが、普及を促進する意義、今後の導入見通しや取り組みについてお聞かせください。

 太陽光発電は無尽蔵ともいえる太陽光エネルギーを活用する発電方式です。しかも発電時にCO2を一切排出しない地球にやさしいエネルギー源です。そのため、エネルギー自給率の低いわが国にとって、太陽光発電は純国産エネルギーとしてわが国の将来を支えると同時に、低炭素社会に実現に大きく貢献すると考えられます。太陽光発電産業は新たな市場や雇用を生み出し、将来、わが国の主要産業の一翼を担うことも大いに期待されています。
 政府は太陽光発電の累積導入量について「二〇年に現状の十倍、三○年に四十倍」という極めて高い普及目標を揚げました。達成のための第一歩として「ニッポンのすべての屋根に太陽光発電を!」というスローガンのもと、一月十三日から住宅用太陽光発電システムの補助制度に対する申請受け付けを開始しました。
 住宅のみならず、産業・公共分野などへの導入拡大も不可欠です。経済産業省は昨年十一月、関係省庁と連携して「太陽光発電導入のためのアクションプラン」を策定しました。これに沿って官民を挙げ、住宅や学校、駅、道路など身近なところに太陽光発電が設置されるよう取り組んでいきます。地域の防災拠点である公立の小中学校に導入が実現すれば、災害時の動力源として役立ちます。加えて高校への導入を進め、若者たちのエネルギー問題や科学への関心を高め、理科教育水準の引き上げを図ります。
 また太陽光をはじめとした新エネルギーに対する国民の理解をより深めるため、全国十三ヵ所で体験型施設「次世代エネルギーパーク」の展開を支援しています。

――さらなる普及に向け、必要なことは何でしょう。

 大事なことは太陽光発電システムの効率が上がり、単価が安くなり、普及のスピードが加速することです。そのためには政府の支援策とともに、産業界の連携が不可欠であると考えます。特に太陽光パネルメーカーと住宅メーカーが互いに協力し合い、デザイン性に優れた製品開発やコストの低減、設置工事の標準化などにより、消費者が気軽に設置できるような環境を整えていくことが重要です。太陽光を電気に変える変換効率は現在一三―一四%程度ですが、四○%を超えるような革新的な技術の開発が官民共同で進んでいます。
 今後は太陽光だけでなく、風力や水力、さらにメタンハイドレートのような次世代エネルギー普及開発にオール日本で積極果敢に取り組むことが、日本の資源外交の上にも大きな力を発揮するでしょう。鉱物資源ばかりがエネルギーではありません。太陽の温かさ、自然の恵みを身近に感じ、それを生かそうと努力を重ねる日本人のたくましさこそがこの国のエネルギーなのです。世界経済が混迷する中、日本の強みである環境技術を生かし、「ピンチをチャンスに」を合言葉に、国民に明るい未来をお示ししたいと思います。

(2009年2月5日、日本経済新聞などで掲載された広告より)

 

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